犬の多頭飼い【ケンカ事情】~多頭飼いは危険?対処法は?~

飼い方・しつけ
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わんちゃん同士のケンカは、場合によっては大ケガを負うこともあります。

普段は温厚なわんちゃんでも、何かのきっかけで相手のわんちゃんを傷つける可能性は十分にあり得ます。

また、じゃれあっているだけかと思っていたら、急に激しいケンカに変わってケガをしてしまった、ということもあり得ます。

さらに、多頭飼いとなるとそのリスクはグッとあがります。

「ケンカをしてケガや危険な目にあわせてしまわないだろうか」ということは新しくわんちゃんを迎え入れる前も、迎え入れた後もずっと向き合っていく不安となります。

今回は、わたしたちが多種の多頭飼いをしてきた中での『ケンカ事情』についてお話させていただきます。

多頭飼いは楽しいことばかりではありません。

飼い主の至らなさで、ケガをさせてしまったこともあります。

その時のキズの写真も載せていますので、苦手な方はお気を付けください。

犬のケンカや、多頭飼いを検討されている方に少しでも参考になれば幸いです。

この記事はこんな人向け
  • 多頭飼いでの犬同士のケンカについて知りたい人
  • 犬同士のケンカの具体例を知りたい人
  • 犬同士のケンカが起きた際の飼い主の対応を知りたい人
  • ケンカを事前に止める方法を知りたい人
  • 体格差のある犬種での多頭飼いを考えている人
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ケンカを避けるために

性格

性格を見極めて、ストレスなくできる範囲を慎重に探ってあげることが大事

わんちゃんの性格も様々ですよね。

神経質な子、温厚な子、怒りやすい子、甘えん坊な子、クールな子。

どこに行っても他のわんちゃんと仲良く遊べるわんちゃんもいれば、他のわんちゃんや家族以外の人に対して攻撃的になってしまう子もいます。

飼い主の想いとして、「誰とでも仲良くしてほしい」と願うことは当たり前のことだと思います。

私たち人間も、社交的な人とそうでない人がいるように、わんちゃんにも同じことが言えます。

もともと内気な子に、社交的になりなさいと言っても、難しい話です。

ある程度、社交的な行動はとれるようになるかもしれませんが、性格が変わることは稀だと思いますので、ストレスの原因にもなりかねませんよね。

まずは、性格を見極めてあげることが大切です。

その後、どこまでだったらストレスなく出来ることがあるかを慎重に探っていくことが必要かと思います。

社会化

  • 元来持つ性格に合った生活スタイルや環境を整えてあげることが大事
  • 小さなことから少しずつ経験させて様子を見ていくことが大事

人間社会で一緒に生活していくうえで、最低限の「社会性」を身につけることは必要なことのひとつです。

ケンカになる可能性を下げるためにも、社会性を身につけることが大切になります。

しかし、社会性を身につけるには、子犬期の環境が大切です。

一般的に犬の「社会化期」は生後3週齢~12週齢と言われています。

この期間の経験を通して、社会性と適応力を身につけていきます。

社会化期に迎え入れることが出来たのであれば、沢山の経験をさせてあげて欲しいと思います。

まだお散歩デビューが出来ない時は、抱っこをして外界の音やモノを見せてあげるだけでも、十分社会化に繋がります。

しかし、「子犬期に出会えなかった・保護犬を迎え入れた」など、様々な迎え入れのケースもあると思います。

我が家では、ウェスティ―の凛を迎え入れたタイミングが”生後7か月”でしたので、既にその時期は逃していました。

凛は、他のわんちゃんと触れ合うことなくずっと一人でゲージにいたので、おそらく親元にいた数週間しか社会化の経験をするタイミングはなかったと思います。

しかし、かかりつけの獣医さんからは、「生後7か月ならばまだまだ社会化のトレーニングは間に合う」と教えてもらい、すぐにパピースクールへ通いました。

(本来、生後7か月はパピースクールの対象外の月齢でしたが特例で入れてもらいました。)

ただ、ある程度訓練をして社会性を身に着けたとしても、”元来持つ性格”がそれぞれ違いますので、その子に合った生活スタイルや環境を整えてあげることが大事になってきます。

他のわんちゃんや知らない人がいる場所に、無理して連れていくことはストレスにもなりかねませんので、小さなことから少しずつ経験させて様子を見ていくことも必要です。

「相性の良い犬種や、苦手な犬種」「仲良くできるわんちゃんの大きさや、怖いと感じるわんちゃんの大きさ」も、この段階である程度見極めていきます。

突発性攻撃行動

性格とは関係なく、突発的に攻撃性が現れる疾病もあることを知っておく

また、「激怒症候群」という名で知られている、正式名が『突発性攻撃行動』という疾病を持つわんちゃんもいます。

何の前触れもなく、いきなり攻撃的な野獣に変わり、家族や他のわんちゃんへ咬みついて重傷を負わせてしまいます。

この疾病の原因は不明です。

犬種としてはスパニエル系が多いので、遺伝的な要素ではないかと言われています。

普段はとても大人しいのに急に攻撃的になる病気が存在する、ということを知っているだけでも、他のわんちゃんと触れ合う際にも注意深くなることが出来ます。

「この子は大丈夫」という絶対はない?

「大丈夫だろう」よりも「万が一」を考えて行動する

わんちゃんが本気のケンカをする際は、「身の危険を感じた時」「恐怖を感じた時」が圧倒的に多いです。

ドッグランなどで、どれだけ付け回されても、しつこくちょっかいを出されても、まったく怒らない温厚なわんちゃんを見かけることがあります。

逆に、常に周囲を警戒し、歯を剥き出して唸ったり、吠えて警戒をしているわんちゃんも見かけます。

たまに、「この子は何をされても怒らない」と安心しきっている飼い主さんもいますが、本当にそうでしょうか。

犬に限らず、動物には「防衛本能」というものが備わっています。

身の危険を感じれば、自分の身を守る行動に出ます。

環境が変わったり、命の危険を感じるほどの恐怖に出くわしてパニックになったとき、わんちゃんがどんな行動に出るかは予測がつきません。

普段の生活の中では絶対にしないような行動に出ることも、十分考えられます。

わんちゃんのことを十分に理解しているつもりでも、予測不能なことは沢山起こります。

わが家では、「大丈夫だろう」よりも「万が一」を考えて行動するように心がけています。

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ケンカの種類

順位づけ

そもそも、ケンカ(攻撃行動)の主な役割は、限られた資源を集団のメンバー間で分割する際に、衝突を最小限に抑えることにあります。

イヌの祖先であるオオカミは、群れをつくり集団行動をしていました。

そのような生活の中では、メンバー間での順位づけが大事になってきます。

その習慣を受け継いで、ケンカを通して順位づけを行っていると考えられています。

わが家でも、順位づけのケンカは行われてきました。

現在の順位は、以下の通りです。

わが家のわんずたちの順位

凛(ウェスティ―)→海(トイプードル)→天(ボーダーコリー)→しおん(シェルティー)

体の大きさでは、天(ボーダーコリー)が一番大きいですが、圧倒的リーダーは凛(ウェスティ―)です。

凛に睨まれると、他の子たちは委縮します。

圧倒的な存在感です。

嫉妬

嫉妬からもケンカへ発展します。

我が家の場合、飼い主のそばの場所の取り合いからケンカになることが多いです。

最初に飼い主のそばにいた子が、他のわんずが近づかないようにけん制します。

そこで引き下がる場合もあれば、相手も引かずにけん制のし合いが始まり、ケンカに至る場合もあります。

我が家では、海(トイプードル)がかなり独占欲が強いため、一度飼い主のそばの場所を確保すると、他犬を寄り付かせません。

匂い

わんちゃんの嗅覚はとても鋭いです。

普段一緒に居る子が、病院やトリミングへ行った後に違う匂いをつけてきた際、その匂いに神経質になり攻撃に出る場合もあります。

また、病院やトリミングへ行った子の方も、普段と違うストレスを感じて神経質になっています。

このような時に、お互いに緊張が走り、突然のケンカが始まる場合もあります。

排泄時

わんちゃんにとって排泄時は、とても無防備な瞬間です。

わが家では、ボーダーコリーの天が、トイレの際に神経質になります。

一度、天がトイレしている際に、海(トイプードル)が近づき、大喧嘩になったことがあります。

天は他の子がトイレをしている時も、神経質になります。

トイレが終わった子に、攻撃性を見せることもあります。

その原因が、「匂い」なのか、「トイレ後のわんずたちのテンション」に問題があるのかは分かりかねますが、そのタイミングは注意してみているようにしています。

パニックスイッチ

これもについては、ボーダーコリーの天に限る話しになります。

天は、普段は他のわんずたちと一番上手に遊びます。

身体も力も一番大きいので、小さなわんずたちと遊ぶ際は、力加減をしっかりと理解しています。

相手が興奮して牙をむいてきたとしても、襲い返すことはありません。

しかし、パニックスイッチ』が入るタイミングがあります。

それはいつも突然で、しかも瞬間で最高潮に達するため、とても危険です。

極度に臆病な性格の為、『怖い』『驚いた』という感情になった瞬間にスイッチが入るようです。

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本気のケンカの見極め方

本気ケンカのサイン

ワンプロともよばれるケンカやじゃれ合いと、本気のケンカの見極め方は、以下の通りです。

本気ケンカのサイン
  • 唸るような声を出す
  • 毛が逆立つ
  • 牙をむき出しにする
  • 咬みついたまま首を振る
  • 片方が「キャイン」という声を出す
  • 片方が尻尾を足の間まで下げて怯えている

多頭飼いをしなければ分からなかったことの一つに、ワンプロやじゃれ合いなどの軽いケンカは止めてはいけない、ということがあります。

ワンプロやじゃれ合いなどの軽いケンカは、コミュニケーションをとったり、社会性を身につけている行動です。

下手に飼い主が止めてしまうと、逆にヒートアップしたり、加減が分からないまま成長してしまい、大きなケガや事故に繋がります。

ただ、初めて見るワンプロは想像よりも激しいです。

多頭飼いを始めた当初は、どこまで見守って、どこから止めらた良いのかの判断にとても悩みました。

その際にも参考になったのは、上記項目です。

本気ケンカのサインが一つでも見られたら、すぐにわんちゃん同士を離した方が良いです。

もし、「キャイン」といった後であれば、どこかケガをしている可能性もありますので、念入りに身体のチェックも行ってあげて下さい。

また、傷口を舐めてしまったり、気にして掻いてしまったりします。

本気ケンカの仲裁方法

本気のケンカの仲裁は、迷う1秒が命取りになる

仲裁に入る際は、手で制止すると巻き込まれる可能性があるので、足を突っ込んで止めていました。

足を突っ込んで間に入り、首のあたりを持って引きはがします。

他にも、フライパンを叩いて大きな音を立てる、床を「パン!」を叩き、大きな音を出して注意をそらすなどの方法もあります。

ただ、大抵仲裁に入るときは緊急時なので、一刻も早く止めるために道具を探しに行く暇はありません。

躊躇せず突入し、引きはがすことが先決となります。

あくまで個人的な意見にはなりますが、わんちゃんがケガをするよりも自分がケガをした方がよっぽどマシだと思っています。

わんちゃんの小さな体に、手術や投薬は大きな負担となります。

そのことで治りも遅くなります。

さらに、ケガをしてしまうと、慣れない匂い(消毒や血の匂い)に他のわんずたちが神経質になり、さらなるケンカが起きかねません。

もちろん、ケガをしたわんちゃんは、治療のストレスでイライラしていますので、普段以上に注意が必要になります。

一方で、私たちがケガをした際はケガの最適な治し方も知っていますし、軽いケガであれば自分で治療も出来ます。

わが家に限ってのことかもしれませんが、わんずたちは「誤って飼い主を咬んでしまった」ということの方がよほどショックのようで、しっかりと反省します。

色々な考えがあるとは思いますが、本気のケンカになった際は、迷う1秒が命取りとなります。

ケガをする前に、仲裁に入ってあげることが大事です。

体や力が大きい子を飼っているおうちなどでは、飼い主の命の危険も伴いますので、仲裁の仕方に関しては家庭ごとにベストは異なると思います。

わが家でのケンカ実録

いくら気を付けていても、ケンカは起きてしまいます。

多頭飼いの一番のリスクだと感じています。

ここからは、実際に我が家で多頭飼いをしている中で起きたケンカをご紹介します。

至らぬ飼い主だと自覚をしております。

少しでも、参考になる箇所があれば幸いです。

ウェスティ―×トイプードル

凛と海は同時に我が家にやってきてから、数えきれないほどのワンプロを繰り返しています。

順位づけはとうに終わっていますが、海が誘って凛が渋々付き合うという形のワンプロがメインです。

毎回、海がお腹を見せて降参します。見ていて微笑ましいワンプロです。

体格差としては、凛のほうが1.5キロほど大きいです。

この時は、新たに天(ボーダーコリー)を迎え入れて1週間後くらいでした。

いつものワンプロが発展し、本気ケンカに突入してしまいました。

もう何年もこの2頭の本気ケンカはなかったので驚きました。

新しいわんこがやってきて、ストレスが溜まっていたのだと思います。

凛が鼻のケガ・海が腕のケガをしました。

幸い、どちらも病院へ行くほどではなく軽いケガで済みましたが、「今まで大丈夫だったから」という油断は禁物だと改めて実感しました。

また、この2頭がケンカになりかけるきっかけとして多いのが、海の「独占欲」です。

飼い主がソファーでくつろいでいると、海が一番最初にやってきます。

その後で凛もソファーに乗ろうとすると、けん制してケンカに発展しそうになります。

これに関しては、前兆が分かりやすいので、ケンカになる前に止めることが可能です

凛の顔を舐める海。
凛がおもちゃで遊び終わるのを待つ海。

ウェスティ―×ボーダーコリー

【恐怖のワンプロ】

凛と天の初めてのケンカです。

天が我が家にやってきてから約1年後のことでした。

体格差としては、天のほうが6キロほど大きい時でした。

天は、子犬期から先住犬3頭の様子を見て育っているため、凛をリーダーと認識していました。

そのため、ワンプロもほとんどなく、すぐに服従ポーズをとるという関係性です。

この時は、凛が天にワンプロを仕掛けました。

普段ワンプロを仕掛けない凛が、天にケンカを売ったのですから、天は恐怖でパニックになりました。

そのパニック状態のまま、凛へ咬みついてしまいました。

とにかくすぐに引きはがし、お互いを落ち着かせました。

ケガをした凛よりも、天のほうが恐怖で怯えていたことを記憶しています。

凛のケガは、おでこを3針縫うものでした。

幸い、凛は傷を気にする様子もなく完治も早かったです。

凛と天は、ワンプロを通して順位づけが出来たわけではありません。

凛の圧倒的な存在感から、ワンプロをするまでもなく、天が凛に従っていたという感じです。

おそらく凛も、勝てると思っていたのだと思います。

しかし、ちゃんとワンプロになる以前に、天が恐怖でパニックになってしまったが故のケガとなりました。

天の「パニックスイッチ」が発動した最初のケンカでした。

その後も特に、順位が変わることはありませんでした。

凛が来れば、天は場所を譲りますし、道もあけます。

【踏まれて「パニックスイッチ」発動】

2回目は、踏まれたことに驚いて天の「パニックスイッチ」が発動しました。

ソファーの上で、ぬしBのそばで凛がくつろいでいる時でした。

天が焼きもちを妬いて、凛に向かって近づいてきます。

凛は、低い声で唸ってけん制します。

天が攻撃を仕掛けることはないのですが、天の存在を鬱陶しいと感じた凛が唸っては天を蹴散らす、ということが繰り返し行われます。

ここまではよくあることでした。

その時は、結局凛がソファーの上に陣取り続け、天はソファー下の自分のベッドで休んでいました。

そして悲劇が起きました。

天がソファーに乗ろうとして足をのせた時、凛を踏んでしまいました。

驚いた凛は、天に向かって吠えました。

そのことに天が驚き、「パニックスイッチ」が発動しました。

「パニックスイッチ」が入ると、他のわんずたちも興奮します。

その興奮で、天はさらにパニックに陥り、さらに攻撃します。

ぬしAが天を抑えつけ、ぬしBが凛を抱き上げてなんとか引きはがしました。

凛は頭にケガをしましたが、幸い、病院へ行くほどではありませんでした。

しかし、相当怖い思いをしたので、しばらく体の震えが治まりませんでした。

別の場所に移動し、落ちつくまで寄り添って様子を見ました。

凛がここまで怖がったことは初めてのことだったので、事前に止められなかったことを心底申し訳なく感じました。

3針縫うケガ。
凛の横で緊張する天。

トイプードル×ボーダーコリー

ワンプロ中、こんな場面もしばしば。

この2頭が一番対格差があります。

体格差は、14.5キロです。

本気のケンカで、命を落とすことも十分考えられます。

ただ、我が家で一番仲が良いのもこの2頭です。

天は、海が大好きです。

ワンプロも海となら、楽しく行うことが出来ます。

海に牙をむかれても、踏まれても、咬まれても平気のようです。(海も本気で咬んではいません。)

凛とは違い、海のことは怖くないようです。お姉さん、もしくはお友達感覚です。

海のそばに居たがります。
一緒に窓の外を見張っています。
もはやストーカーです。

しかし、こんなに大好きな相手でも、ケガをさせてしまうケンカが起きてしまいます。

今までに大きなケガを伴うケンカが2回ありました。

①【おもちゃを取られると思いパニック】

1度目は、海が天のおもちゃを取ろうとした際に起きたケガです。

基本的に、我が家では自分のおもちゃというのが決まっているため、おもちゃを取ろうとすることはありません。

取り合いになるようなおもちゃは、皆がいる場所では使用しません。

普段は天がそのおもちゃで遊んでいる時、海は近づこうともしません。

しかし、何を思ったのかこの時海は、遊んでいる天のおもちゃに近づきました。

天は、おもちゃを取られると思い「パニックスイッチ」が発動しました。

結果、すぐに仲裁には入ったものの、海はお腹を咬まれてケガをしてしまいました。

幸い、病院へ行くほどではなく、完治までに10日ほどかかりました。

ここでもやはり、「今まで大丈夫だったから」という油断は禁物だと改めて実感しました。

②【突然の「パニックスイッチ」】

この時のケンカによるケガが、我が家で一番大きなケガとなりました。

状況は、天がトイレでおしっこをしている最中に、目の前から海がちょっかいをかけに近づいた時でした。

天は、先述したように排泄時はとても神経質になります。

今までも、似たような状況は何度もあり、同じタイミングで他の子とトイレをシェアして使うこともありました。

しかし、この時は天の「パニックスイッチ」が起動して、瞬間的に海に攻撃をしました。

それこそ、おしっこをしながら海を襲ったのです。

よほど、天の中で何か嫌な感じがあったのだと思います。

すぐに引きはがしましたが、海は頭を10針縫う大ケガをしてしまいました。

眼も真っ赤に充血しました。

すぐに病院へ連れていき、処置をしてもらいました。

幸い、骨には達しておらず表面だけのキズを縫合してもらい、眼も内出血だけでキズはないとのことでした。

完治までに約2週間かかりました。

どうなっていてもおかしくない攻撃でした。

飼い主として、本当に情けないと痛感した出来事でした。

10針縫った帰り道。
傷をひっかかないように、帽子をかぶせていました。

こんなことがあったにも関わらず、海と天の関係は以前と変わりませんでした。

相変わらず、ワンプロもしますし、海も天を怖がったりしていません。

人間には理解できない世界が、犬社会には存在しているのだと改めて感じます。

一緒にくつろぐ海と天。

シェルティー×ボーダーコリー

この2頭は、先住犬であるしおんよりも、後から来た天のほうが順位が高いという、我が家では唯一の関係性です。

しおんは平和主義の為、あまり順位戦にこだわりがないようです。

天との順位づけワンプロで、割と早い段階で順位を落としました。

しおんからワンプロに誘うことが多いですが、天に対してすぐに服従のポーズをとります。

天もまた、ひっくり返ってかなり手抜きの攻撃を返します。

このペアのワンプロもまた、微笑ましい光景です。

しおんがワンプロに誘っている時。
しおんは天が来た日から一番天を気にかけていました。
寝ているしおんのにおいを嗅ぐ天。

①【興奮の連鎖】

しおんは、あまり落ち着きがありません。

テンションが上がりやすく、割とせわしなく動き回ります。

わが家で一番無駄吠えが多いのも、しおんです。

天は、誰かが興奮するとつられて興奮してしまいます。

引きはがさなければいけないほどのケンカには発展しませんが、見ている側としては不安になります。

ただ、しおんの興奮の度合いによっては全く関心を示さないこともあるので、どこまでがOKで、どこからがNGなのかの見極めが大事になります。

②【インターホン】

しおんが一番興奮するタイミングが、「インターホンが鳴ったとき」です。

また、少し攻撃的にもなります。

攻撃的といっても、人やわんずたちに対してではなく、物に対してです。

家の中に知らない匂いのする段ボールがあることをとても嫌います。

段ボールの片付けが終わるまで、興奮状態が続きます。

それこそ、段ボールに咬みつくこともあります。

ただ、しおんの攻撃性が仲間や家族に対して及ぶことはなかったため、あまり問題視はしていませんでした。

しかし、ボーダーコリーの天が来てからは、そうはいきませんでした。

天は、もともとはインターホンに対してあまり関心はありませんでしたが、しおんが興奮していることに興してしまいます。

また、それに加えて飼い主が慌ただしく宅急便や来客の対応をするので、その雰囲気に神経質になった天の「パニックスイッチ」が入りやすくなります。

インターホンを無音の設定にしているので、たまに天が先に気が付いてしおんがまだ落ち着いていることがあります。

そんな時は、天は不思議そうにするだけで攻撃的にはなりません。

先日、インターホンが鳴り、しおんが盛大に興奮していた時に、天の「パニックスイッチ」が発動しました。

この時は完全にスイッチが入り、しおんの首を咬んで離しませんでした。

すぐに引きはがしましたが、しおんは「キャイン」と言って怖がりました。

幸い、しおんは毛の量が多く密なこともあり、ケガには至りませんでしたが、インターホン対策をこれまで以上に強化しなければ、と感じた一面でした。

同じ中型犬ということもあり、病院へ行くほどのケガをするケンカは今のところありません。

荷物が届くとわかっている時は、事前に隔離しています。

③【天の「パニックスイッチ」について】

天は自らケンカをすることを望んでいるわけではありません。

攻撃をしてしまった後も、自分のしたことを分かって反省しています。

さらに、スイッチが入りそうなタイミングは、天自身も分かっていることが多く、スイッチが入る前に他の場所へ移動したがるほどです。

「スイッチが入りそうだから、このドア開けて!」という感じで、ドアの方へ行き飼い主に視線を送ります。

私たちも、天が興奮しそうな場面は、事前に天を別の部屋に移動させるなどしています。

天の攻撃性が出そうなとき
  • インターホンが鳴るとき(音は消音にしていますが、それでも気が付きます。)
  • トイレしているときに他の子が近づく
  • 他の子がトイレしている時・した後
  • 凛が天にちょっかいを出すとき
  • ゴミを袋にまとめて片付けるとき
  • トイレトレーの掃除をするとき
  • 他の誰かが焦っている時
  • 他の誰かが興奮している時

以上の内容も、他のわんずたちの反応が先にあった上で、天がつられることが多いです。

例えば、ゴミの日に、ゴミを袋にまとめて片付けるときに興奮するのは、しおんです。

トイレトレーの掃除をするときに興奮するのもしおんです。

トイレの後に、ご褒美がもらえるかもしれないと、興奮するのは凛や海です。

こうしてみてみると、天だけで興奮することは少ないです。

しかし「このタイミングで誰かが興奮する」と一度覚えてしまうと、たとえそうはならなくても、反射的に天が興奮してしまうようになりました。

天のスイッチの入るタイミングを見極めるには、他のわんずたち全員の興奮スイッチの入るタイミングを見極めて置く必要があります。

まとめ「多頭飼いは危険?」

多頭飼いは、やはり危険なのか?

そう聞かれれば、「危険である」と言わざるを得ません。

実際に、一頭飼いでは起きないようなケンカが発生しますし、ケガもします。

特に、体格差のある多頭飼いは注意が必要です。

ボーダーコリーの天が来るまでは、病院へ行くほどのケガに繋がるケンカはありませんでした。

天が来てから、小さなわんずたちのケガをする機会が増えたのも事実です。

とはいえ、多頭飼いはやめた方がよいのか?と聞かれれば、そうとも言い切れません。

我が家のわんずたちを見ていても、じゃれあって楽しく遊んでいる姿や、互いを意識しながら安心してお留守番をしている姿を見ると、多頭飼いの良さや幸せは数え切れないほどに沢山あります。

多頭いるからこそ、それぞれの個性が際立ち、より深くそれぞれの性格や特徴を知ることが出来ました。

多頭飼いには危険を伴うことは、重々承知しておく必要があります。

その上で、多頭飼いならではの幸せをわんずたちにも感じてもらえるように、工夫して暮らしていくことが大切だと思います。

今回は、ケンカのことについての記事でしたので、どうしてもネガティブな内容になってしまいましたが、実際には楽しく幸せな瞬間のほうがはるかに多いです。

多頭飼いには、飼い主の観察力と注意力がとても大事です。

わんちゃんたちの些細な感情の変化に気が付くことが出来るようになれば、事前に危険を回避することも可能です。

普段からよく観察をし、しっかりとコミュニケーションをとることで個々の性格を見極めて、危険を回避しつつ、楽しい時間を過ごしていきたいですね。

大変さは足し算、楽しさは掛け算以上。

皆さまにとって、素敵なわんわんライフになることを願って。

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