働きながらの多頭飼いで避けられないのが、留守番です。
共働き家庭では、どうしてもわんこに留守番をお願いすることになりますよね。
フルタイムで通勤型の仕事をしている我が家は、4わんずもフルタイム留守番をお願いしています。
早く全ての仕事が在宅勤務になってほしい!と念じつつ、現実とうまく付き合っていこうと工夫する日々です。
そこで今回は、多頭犬に留守番をしてもらうための注意点と方法をまとめました。
結論をお伝えすると、ポイントは3つです。
- テスト留守番をして方法を探る
- わんずの安全性と快適性を最優先させる
- 体格の違うわんこはスペースを分ける
体の大きさが他わんずの倍以上ある、ボーダーコリーの天をお迎えして4年。
試行錯誤した我が家の留守番について、少しでもお役に立てれば幸いです。
多頭飼いの留守番で気をつけたいこと
わんずに留守番をお願いするということは、飼い主はすぐには帰れない状態だということです。
そのため、留守中は以下の2つに注意することが大切です。
- わんずに危険が及ばないこと
- 快適な環境が維持されていること
わんずに危険が及ばないこと
これは一番重要ですよね。
留守番中に何かあっても、飼い主はどうすることもできません。
わんずの安全を守るためには、危険因子を取り除くことが大切です。
手の届く場所に人間のものを置かない
普段、飼い主と一緒にいるときは気にならない物でも、わんずだけで留守番している時に視界に入ってくるものや見つけてしまうものもあります。
「いつもは大丈夫だから」と見逃さずに、万が一のことを考えて、誤飲や怪我の危険性があるものは、必ず蓋付きの棚にしまうか、高い位置に置きましょう。
特に誤飲でトラブルが起きやすい金属製のものや、プラスティック製のものは除けておくことが大切です。
わんこの体の大きさによりますが、多種多頭の場合、一番大きなわんこでも届かない場所が基準となります。
我が家の場合は、一番小さなトイプードルの海は、身軽によじ登ることができるため、家具の種類や配置なども注意しています。
ものが落ちないようにする
留守中の地震対策です。
わんずは、日中の留守番のほとんどの時間寝ています。
くつろいでいる時に、大きな揺れがあった場合、わんずの近くに置いてあるものや家具が落ちたり、倒れたりすると危険です。
そのため、わんずの留守番スペースには落ちたり倒れたりするものを置かないようにしましょう。
地震大国ニッポン。
南海トラフの30年以内発生率は80パーセント以上と言われています。
「地震が起きて当たり前」という感覚で、留守中の備えもしておきたいですね。
犬の体格差がある場合はスペースを分ける
体の大きさが明らかに違うわんずの場合は、スペースを分けることをお薦めします。
我が家のわんずは、体重の開きが15Kgあります。
特別仲良しではないですが、お互い家族として認識している関係性です。
しかし、予期せぬことでパニック状態になったらどうなるか分かりません。
体の大きさの違いは、大けがに繋がります。
また、同じ犬種や体格の差がなくても、相性や性格によって、スペースを分けたほうが良い場合もあります。
普段の過ごし方を小まめに観察することで、わんずの関係性を把握することができると思います。
我が家の場合、唯一20Kg近く体重のあるボーダーコリーの天だけは、留守番スペースを分けています。
詳細については後述します。
快適な環境が維持されていること
留守番中のわんずにとっての快適ポイントを5つにまとめました。
- 室温
- 水
- トイレ
- ベッド
- 視界と音
室温
人間とわんこでは、快適な室温は異なります。
わんこにとって快適な室温は25~28℃、湿度は45~65%と言われています。
犬種によって、暑さに弱かったり、寒がりだったりしますので、普段わんこの気温の反応をみて対策をしましょう。
夏場は特に、室内温度は上昇しますので、エアコン稼働はかかせません。
しかし、床付近の温度は、人間が体感するよりも低くなっていることがあるため、わんずの体の高さで温度が低くなりすぎていないかを確認すると良いです。
多種多頭の場合、体が小さいわんこと、体が大きいわんこでは体感温度も異なります。
基本的に暑がりのわんこに基準を合わせると良いです。
なぜなら、冷えすぎ対策のほうがしやすいからです。
この場合は、お互い温度調節ができるものを補助的に加えます。
例えば、小さいわんこにはベッドや毛布などで体を包めるものを用意し、大きいわんこにはアルミプレートなどで体を冷やせる追加のクールグッズを設置してあげるなどです。
冬場は特に、床付近の温度がどのくらい低くなるかを確認することが大切です。
エアコンの暖気は上に上がっていく性質がありますので、人間が感じるより床の温度は低いことが多いです。
わんこは日中の大半は寝ていることが多いです。
そのため、床の冷気が強くならないように室温調整が必要です。
エアコンの温度設定に加えて、わんずの体温が保たれるよう、毛布などを用意しておきましょう。
また、季節に関わらず湿度も調整できるエアコンであれば、50~60%に設定しておくとより快適になります。
水
熱中症や脱水症状の予防に必須アイテムです。
飼い主が帰宅するまでの間、なくならないよう十分な水を用意しましょう。
多頭の場合は特に水の量や、給水器の数を十分確保することが大切です。
我が家の場合は、2.7リットル入るこちらの給水器を長年愛用しています。
安定感とお手入れの良さが抜群で、本当に気に入っています。
トイレ
わんこはとても綺麗好きです。
トイレが汚れていたり、トイレシートが交換されていないと、粗相の原因になります。
外出前には必ずトイレ周りの掃除と、トイレシートをきれいにしておきましょう。
わんこが留守番する空間に、トイレスペースを設ける場合は、吸水性の高いトイレシートを設置すると良いです。
成犬であれば、12時間くらいはオシッコを我慢できると言われています。
また、わんこによっては家の中では全くトイレをしない子もいるかと思います。
トイレ事情は、そのご家庭によって様々ですが、室内トイレをするわんこに対しては、清潔を保っておくことで粗相を回避できることがあります。
ベッド
留守番中のわんこは、寝ていることが多いです。
その時間の大半を使うベッド環境を整えておきましょう。
わんこにとって室温が低い可能性があれば、暖かく包まれる毛布を、室温が高いようであれば、冷たくなるシーツなどを設置すると良いです。
また、わんこの祖先であるオオカミは、危険を回避するために穴ぐらで寝る習性があると言われています。
多頭の場合は、パーソナルスペースの確保も安心して休むために必要です。
このようなことから、わんこの頭数分のベッドを用意することで、お互いのスペースの区別をすることができます。
視界・音
わんずが安心して休めるために、外的な刺激を防ぐことも考慮したいですね。
外が見えるような大きな窓がある場合には、カーテンなどで視界を遮ると良いです。
これは、夏には直射日光を防ぎ、室内温度の上昇抑制にも効果的です。
視力は0.3程度だけど、動体視力や物体識別力は人間よりも優っているよ。
動くものなら800m先でも見分けられるんだから。
ボクのような牧羊犬は1500m先でも見分けられるよ。
また、急な音がしないように、アラームやチャイムなどをOFFにすることもできますね。
家の周辺環境によっては、車や人の声が聞こえやすいこともありますので、窓を閉めることで、雑音の軽減につながります。
わんこの聴力はヒトの3~4倍、ヒトは16の方向から音の聞き分けができるのに対し、わんこは倍の32方向と言われています。
飼い主よりも倍以上の音が耳に入ってくることを想定して、できる限り静かな環境を整えてあげたいですね。
留守番の方法
わんこの年齢にもよりますが、留守番をしてもらうためには段階的に進めることが大切です。
最初から長時間の留守番や、室内でフリーにすることは、分離不安や怪我に繋がる危険性があります。
わんこにとって初めての留守番がトラウマにならないようにしましょう。
トイレのしつけ
トイレのしつけとは、2つのことが出来るようになることです。
A. トイレトレー(シート)の上で用が足せる
B. 飼い主のコマンドで用が足せる
Aは必須条件ですね。
室内で暮らすわんこであれば、トイレの場所を覚えてもらうことは必要不可欠です。
多頭飼いは、先住犬がトイレをできれば、後輩犬はそれを見て覚えてくれることが多いです。
わんこによって習得の差はありますが、根気よくトレーニングしましょう。
Bは習得できれば、色々な状況下で助かります。
留守番の時は、飼い主が外出する直前にトイレをしてもらえば、留守中はトイレが汚れる確率が減ります。
また、わんこと遠出をする際にも、トイレ休憩の際にすぐしてもらえることができます。
トレーニングの方法としては、わんこがトイレをしている最中にコマンドの言葉を繰り返すことによって、用を足す行為とコマンドをセットで覚えてもらいます。
コマンドで用を足せれば、褒めてご褒美をあげると良いです。
我が家もこの方法で4わんず全員が、コマンドでトイレができるようになりました。
十分な散歩
わんこのストレスが溜まらないように、朝晩の散歩はしっかりしておきましょう。
成犬になってからの破壊行動や問題行動は、ストレスが発散されていないから起きる可能性があると言われています。
十分な運動は良質な睡眠に繋がります。
働きながらの多頭飼いは、朝の時間は特にバタつきますが、わんずとのコミュニケーションの機会としても大切な時間です。
まずは夜フリーで様子を見る
飼い主が家にいる状態で、かつ長時間フリーにできる機会が就寝時です。
何かあったらすぐ対処できるので、留守番シュミレーションの第一段階としてはベストだと思います。
飼い主と同じ部屋でフリーにする場合のメリットは、わんずの様子が把握できることです。
デメリットは、わんずにとって飼い主がいる状態なので、留守番トレーニングとしては少し物足りないかもしれません。
飼い主と違う部屋でフリーにするメリットは、上記の逆となります。
もちろん、わんずの部屋には、水やトイレの環境を整えましょう。
休日、短めの時間でフリー留守番にトライ
飼い主不在での留守番になりますので、まずは数分、数十分の留守番から始めましょう。
「飼い主が出かけても必ず帰ってくる」ということを理解してもらうことが大切です。
出掛ける時は、特別な声掛けをしたりせず、自然な流れで外出するほうが良いとされています。
なぜなら、わんずが留守番の合図として認識してしまうからです。
そうすることによって、過度に興奮したり不安になったりしてしまいます。
その代わり、帰宅した時は思いっきり褒めてあげましょう。
短時間の留守番に慣れてきたら、留守番時間を徐々に長くしていくと、わんずも留守番を理解します。
この時、見守りカメラがあると心強いです。
我が家で導入しているWebカメラの詳細は別記事をご覧ください。
OKなら室内フリー、NGならサークル内
短時間の留守番で問題ないようであれば、仕事の日は室内フリーにできます。
NGなら、無理にフリーにせずサークル内で留守番をしてもらうようにしましょう。
留守番中に許容範囲を超えるいたずらをしてしまう場合は、わんこにとっても飼い主にとってもストレスになります。
何より、わんこの安全も脅かされます。
留守番は、自由気ままでいられることより、わんこの安心安全が優先です。
サークル内で留守番をしてもらう場合には、その中で快適な環境を整備できるように配慮しましょう。
我が家の現状
我が家の場合、多頭飼いになってから、転職転居を複数回していますので、環境変化に応じて留守番方法を試行錯誤して現在に至っています。
4わんず個別対応の留守番スタイル
我が家の留守番時は、小さめの先住犬3頭はフリー、後輩犬のボーダーコリーの天はサークルの中です。
我が家も前章の5ステップで現在に至っています。
先住犬3頭については、終日フリーにしても全く問題がありませんでした。
その2年後に迎え入れた天は、夜フリーまでは順調でした。
しかし、短時間の留守番はできたりできなかったり。
一軒家の転居をきっかけに、思い切ってフリー留守番にしてみました。
しかし短時間の留守番同様の不安定さがありました。
天は他3わんずと違い、体も大きく、力も強いです。
いたずらの規模が明らかに違います。
部屋に置いてあるマットなどの布製品をかじる、トイレシーツで遊ぶ等はかわいいほうです。
最終的に、フリー留守番が無理だと判断したのは、ソファの破壊活動でした。
破壊王、天の詳細は別記事をご覧ください。
また、天の体の成長につれて、何かあった場合の体格差の危険も考慮する必要がありました。
この2つのことから、天はサークル内で留守番をしてもらうことにしました。
昼休憩を利用し帰宅
一軒家に転居し、ぬしBの職場まで10分ほどの距離になったこともあり、ぬしBがお昼休憩に一旦帰宅できるようになりました。
そのため、ぬしBが自宅でお昼休憩をしている間に、天のトイレやわちゃわちゃ運動をしてもらい気分転換を図っています。
これもあって、我が家はわんずの終日留守番の負担を軽減できていると感じています。
わんずも、ぬしBがお昼に帰ってきても、それは一時的なものだと理解しているようで、あまりテンションも上げず、寝ていることが多いそうです。
わんず仕様の家具
多頭飼い当初から使っている家具として、バーテーブルがあります。
一般的なダイニングテーブルは高さが70cmほどです。
この高さは、中型犬であれば手が届いてしまい、身軽な小型犬であれば椅子からテーブルの上まで飛び乗ってしまいます。
バーテーブルは高さがあるため、そのような心配がありません。
現在、我が家で使っているのは、IKEAのバーテーブルです。
今までのバーテーブルは幅が45㎝ほどしかなく、ダイニングテーブルとしては心許ない大きさでした。
広いテーブルを探しても、高さがあるものは見つからず、昇降式の事務机にするか、DIYするかまで考えていました。
そこで出会ったのがIKEAです!
幅80cm、横120cm、高さ105cmで我が家の生活スタイルにピッタリです。
しかも高さが、キッチンカウンターと同じでダイニングテーブルとしてシンデレラフィットでした。
テーブルには、引き出しとサイドには荷物掛け用のフックが2つ付いています。
リビングダイニングで留守番をしてもらうにあたり、かなり安心できるテーブルでとても気に入っています。
我が家のバーテーブルはNORDVIKENというシリーズですが、現在の取り扱いはないようです。
同じサイズでEKEDALENシリーズのバーテーブルがありますが、こちらは引き出しやフックはないようでした。
視界と音
わんずが留守番をしているリビングは、一面が外に面した窓になっています。
窓の外は、田園風景が広がっており、日中は農家さんの作業姿を見ることができます。
わんずがゆっくりお昼寝ができるように、留守中はシャッターを半分下ろして、視界と日差しを遮るようにしています。
(下半分は、庭のフェンスで農家さんは見えなくなります。)
音に関しては田舎のため、騒音問題はカエルの大合唱くらいですので、外の物音は気になりません。
ただ、インターフォンは無音設定にしています。
多種多頭飼いは、わんこによってポイントが異なります。
小型犬の凛や海は、ふかふかで暖かい空間を、コリー系のしおんと天は、涼しく外的刺激が少ない空間が必要です。
これからも、環境や年齢の変化に伴って改善をしていきたいと思います。
まとめ
働きながらの多頭飼いでは、避けて通れない留守番問題。
最近では、在宅ワークやわんにゃん同伴通勤なども増えてきていると聞きます。
しかし、いくら時代が進んでも、働く環境や条件が変わらない場合もあります。
ないものを追い求めるより、現状を良くするために試行錯誤することが幸せに繋がることもあります。
目の前にある現実を工夫しつつ、これからの未来に想いを馳せたいですね!
多頭飼いの留守番のポイントをまとめると下記のとおりです。
- 安心安全な留守番環境をわんこ目線で整える
- 段階をおって徐々に留守番時間を伸ばしていく
- 室内フリーに不安がある場合は、無理をせずサークル内での留守番にする
仕事や、住んでいる環境、わんずの個性によっても色々な方法があると思いますが、少しでも参考になれば幸いです。
大変さは足し算、楽しさは掛け算以上。
皆さまにとって、素敵なわんわんライフになることを願って。
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