多頭飼いをしていると、わんこたちの性格ってそれぞれで全然違うなあ、と感じることがとても多いです。
その中でも今回は、甘えん坊すぎるわんこ・海(トイプードル)についてお話しします。
甘えん坊すぎる海との生活
甘えん坊だと思う行動
海の性格で、私たち飼いぬし目線で”度を越えている”と感じる箇所は以下の通りです。
甘えん坊すぎる海。
飼いぬしが側にいるのに”抱っこしてもらえない”という状況をとにかく嫌います。
抱っこしてくれるまで、要求が続きます。
何時間でも、続きます。
本当に諦めないのです。
もしかして分離不安症?
子犬の時から、海の甘えかたは度を超えていました。
今まで小型犬を飼ったことがなかったので、ここまで抱っこ好きな犬がいるなんて・・・と驚きもありました。
常に甘えてくる海に、”分離不安症”という病気が頭によぎりました。
そこで、海の行動と分離不安症の症状を照らし合わせてみました。
分離不安の症状 | 海の症状 | 比較 |
---|---|---|
飼い主が見えなくなるとずっと吠えている (鳴いている) | 飼い主がいない時は吠えずに(鳴かずに) お留守番出来ている | × |
飼い主不在時に粗相をする | 一切しない | × |
留守番中に部屋がぐちゃぐちゃになっていたり 物が破壊されたりしている | 一切なし | × |
飼い主が外出の準備を始めるとそわそわして 飼い主の後をついて回る | 仕事に行くときは落ち着いている。 休日は一緒に行きたがりそわそわする。 | △ |
留守番中に自分の手足を舐めたり噛んだりする | 形跡なし | × |
留守番時や帰宅後に下痢や嘔吐をする | 一切なし | × |
留守番時や飼い主の帰宅後に食欲が低下する | 一切なし | × |
海は、飼い主の不在時は理解が良く(諦めが早く?)、問題なくお留守番も出来ますし、体調も問題ありません。
たまにペットホテルなどに預けることがありますが、そこでもまったく問題ないようです。
とてもおりこうさんでした。ごはんも全部食べましたよ!
トリミングで預ける際も、とても大人しくしているとのことでした。
分離不安症ではなく、ただの甘えん坊ということが判明しました。
甘えん坊ということが分かり
さて、ここからは「甘えたい・かまってちゃんの海」と「適度な関係を築きたい飼いぬし」との攻防戦のお話に入ります。
甘えん坊なわんちゃんは可愛いですよね。
抱っこされて幸せそうなわんちゃんを見るのも、飼いぬしの幸せでもあります。
しかし、あまりにわんちゃん側の要求のままに甘えさせしまうと、問題行動に発展する恐れもあります。
子犬期にお世話になっていたドッグトレーナーさんに相談しました。
海がすぐに膝に乗ろうとしたり、抱っこをせがんでくるんです。
どう接したら良いですか?
要求のままに抱っこをせず、こちらからコマンド(お座り・お手など)を出して、それに従ったらご褒美として抱っこしてあげるようにしてみてください。
リーダーは飼いぬしだよ、ということを理解させることが大事ですよ。
海はとても頭の良い子です。
すぐに理解し、コマンドに従ったら抱っこしてもらえることを覚えたようです。
そして、抱っこしてほしいときは大抵、足元でお座りしてとてもおりこうさんに、私たち飼いぬしを見上げています。
鳴くこともなく、ただじっと抱っこしてもらえるまで見つめてきます。
もはや、これが海の要求スタイルにすり替わってしまっている気がします。
ただ、いくらおりこうさんにしていても、コマンドを出してから抱っこする、ということは徹底しています。
海も、抱っこの為ならすんなりとコマンドを聞いてくれます。
はいはい、聞けばいいんでしょ。
はい、出来たから抱っこ~~~!
なんだか、結局のところ海の手の内にいるような気がしてならない飼いぬしです。
海の甘えるタイミング
甘えん坊ながらも、要求が通るまでのシステムを理解した海は、無駄なことはしなくなりました。
無駄な労力は使わないよ!甘えられる可能性が高いときしか行かないよ~。
海は、飼いぬしの行動パターンをよく見ています。
今までに構ってもらえたケースのみ、甘えの要求をしてきます。
飼いぬしが根負けした要求
ただ、飼いぬしが根負けした海の要求が、2つだけあります。
それは、「車移動中の抱っこ」と「夜一緒に寝る」ということです。
車移動中の抱っこ
本来、車で長時間移動する際は「クレート」に入っていてほしいというのが飼いぬし側の要望です。
クレート内の方が安全ですし、飼いぬしが車内で食事するときなども手が空きます。
しかし、海は車内で飼いぬしがいるとわかっている状況での「クレート」を嫌いました。
飼いぬしがいない状況では「クレート」で大人しく待っていてくれます。(もちろん涼しい時期限定)
なんでいるのに抱っこしてくれないの!!
最初のころは、「クレート」での移動に慣れてもらうため、私たち飼いぬしと海の攻防戦が繰り広げられました。
クレート内で「クンクン」「キューン」と鳴く海を、可哀そうだからと出さずに、「車ではクレートにいるんだよ」と理解してもらうために、心を鬼にして無視をしました。
しかし、1時間たっても2時間たっても、海の要求はやみません。
それどころか、目的地に着くまでの4時間以上を海は鳴き続けました。
海が鳴き続けている限り、楽しく会話もできず、常に申し訳ない気持ちでいることになります。
何度か繰りかえしましたが、私たちの心のほうが先に折れました。
膝にのせることで、一気に大人しくなり、ドライブ自体が快適になりました。
海はドライブ中、膝の上に乗ってさえいれば満足なので、とてもおりこうさんにしています。
ずっと鳴き続ける海とのドライブよりも、私たちは快適な旅を選びました。
今のところ、そのことで困ることは特にないので、私たちと海のドライブスタイルは海の要求が勝利した形で決着がつきました。
ちなみに他の3わんずたちは、クレート内でおりこうさんにしてくれています。
夜は一緒に寝る
もう一つ根負けしたこと、それは夜一緒に寝ることです。
犬と一緒に寝ることは、ぬしBの子供のころからの憧れでもありました。
しかし、海はトイプードルなので体も小さく、一緒に寝ると危険性もあるという記事もいくつか見ていましたので、当初は別々に寝ていました。
寝るときは、飼いぬしの寝室に広めのサークルを設置し、凛も海もしおんもそこで寝ます(まだ天のいなかった頃)。
しかし、海が1歳くらいのころから、夜寝ているサークルから脱走して布団に潜り込むということが多発しました。
海はサークルをよじ登って脱走するのです。
サークルの上部に簡単な天井をつけたりと工夫してみましたが、いとも簡単に脱走してしまいます。
また、サークルをよじ登ることでケガでもしたら危険です。
普段は家中をフリーに過ごしているわんずたちですので、サークルを使用するのは寝室のみです。
その為だけに、新たに天井付きのサークルを購入することも躊躇われました。
脱走してはサークルに戻し、また脱走・・・。
飼いぬしも眠いです。
ついに、諦めました。
サークルを撤廃し、寝室内好きな所で寝ていいよ、というスタイルに変更しました。
幸い、当初心配していたような、人用のベッドに粗相するということもなく、トイレに行きたくなればちゃんと決まったトイレでしてくれました。
あとは、人間と寝ることの危険性に対する心配です。
一緒に寝ているぬしBは寝相が悪いです。
どうなるか心配していましたが、海はぬしBの動きをいち早く察知し移動し、時には怒り、それでもくっついて寝ています。
今では、わたくし、ぬしBのほうが海のいないベッドで寝ることに寂しさを覚えるようになりました。
たまに実家やホテルで宿泊する際は、その寂しさに安眠出来ないほどです。
甘えられるなら誰でもよい?
人の見極め
海は人が大好きです。
その中でも、甘える人選びには海なりの基準があるようです。
当たり前といえば当たり前の基準です。
海は、より甘えさせてくれる人のところへ行きます。
うちでは、私よりもぬしAのほうが甘やかしてくれるので、積極的に甘えに行きます。
ぬしBの姉が遊びに来た際は、ぬしBとぬしB姉が同じベッドで寝たのですが(ベッドはワイドキングサイズで2人寝られます)、朝起きたら海はぬしB姉と一緒に寝ていました。
ぬしBショック!!
確かに、ぬしB姉は優しく穏やか。
そして海が大好きで甘やかしてくれます。
海は、ぬしB姉が大好きです。
甘えん坊で困ったこと
最後に、海の甘えん坊で困ったことをご紹介します。
それは、在宅勤務で家にいる場合です。
出勤する際は、海は理解してお留守番をしてくれています。
しかし、家にいるのに仕事をするという概念は海にはありません。
結果、「家にいるのなら抱っこしてよ」という発想にたどり着きます。
コロナ禍ならではの困りごとかもしれません。
家で仕事をしていると、抱っこを要求してきます。
これがなぜか諦めないのです。
食事や家事の時は諦めて大人しくしてくれている海ですが、おそらく休日にPC作業をしているのと同じ状況と思うらしく、”構ってもらえるジャンル”に分類されているようです。
確かに、その違いを説明・理解してもらうのは難しそうです。
諦めない時の海は、手ごわいです。
とても仕事に集中できません。
結果・・・・・・。
膝にのせて仕事をすることが一番、仕事がはかどるということに行きつきました。
吠えたり鳴いたりはしないので、会議中でもセミナー中でも、その点で困ることはありません。
何より集中できる環境にすることの方が大事なので、海が膝で大人しくしてくれるのであれば、こちらの方が良いのです。
お散歩よりも抱っこ?
海はもともとお散歩はあまり好きではありません。
子犬期のお散歩デビューの際には、足にまとわりついて抱っこを要求し、歩きたがらない海をお散歩させるのに苦労しました。
お散歩よりも、飼いぬしとのスキンシップを望む性格のようです。
とはいえ、お散歩には連れていきます。
お散歩が開始されてしまえば、しっかり歩いてくれます。
しかし、どうしても嫌がるときや、他の大型わんこに合わせて長い距離を歩く際などは、途中から抱っこに切り替えることもあります。
海の要求を受け入れすぎず、かといって無理をさせないように工夫しています。
その際は、スリングを使用します。
海も、自らスリングに入りにきます。
両手がフリーになるので、他のわんずのリードを持ちながら抱っこが可能になります。
まとめ
今回は、甘えん坊すぎる海についてご紹介しました。
同じように甘えん坊すぎて困っている人にとって、少しでも参考になれば幸いです。
犬の要求を呑んではいけない、上下関係ははっきりとさせなければいけないなど、犬を飼う際にはいろいろな考え方や情報が溢れています。
そればかりに囚われていると、「なんでうちの子は我慢できないのか」「こんなんじゃ飼いぬし失格だ」そんな気持ちになってしまうことも多々あります。
もちろん、迷惑行動に繋がったり、危険性がある際は、しっかりとしつけをした方が良い場合もあります。
今回の海のケースでは、「私たちが困っていない」「周囲にも迷惑をかけない」「海自身もある程度の分別がついている」ということもあり、甘えすぎ問題をあまり重くとらえていません。
他のわんず含め、快適に幸せに暮らすこと。
その目的から外れなければ、ある程度のわがままも、個性と思って付き合っていくことが大事なのかと思います。
ただ一つ、注意していること。
それは、ほかのわんずが甘える時間もしっかり取ることです。
海が甘えん坊だからと、海ばかり構っていると、他のわんずが焼きもちを妬いてしまいますよね。
特別を作らない。
これは、多頭飼いをするにあたり飼いぬしが気をつけなければいけないことだと思っています。
大変さは足し算、楽しさは掛け算以上。
皆さまにとって、素敵なわんわんライフになることを願って。
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