「ボーダーコリーは賢い」というイメージは、もはや多くの人が持っていますよね。
それもそのはず、海外での研究結果や、実在する賢いボーダーコリーが話題になったからです。
カナダのブリティッシュ・コロンビア大学のスタンレー教授によると、ボーダーコリーは犬の中で、一番賢いという結果が出ています。
・本能や直感
・自分で考え解決する能力
・指示に従う能力
上記の3つのテストを実施し、研究調査された知能指数ランキングで、132犬種の中で1位を獲得しました。
ちなみに2位はプードル、3位はジャーマンシェパードだよ。
また、アメリカのサイスカロライナ州で暮らすジョン・ピリー博士の愛犬、ボーダーコリーのチェイサーは、なんと1000個以上の単語を理解していたのだそうです!
チェイサーの賢い動画はこちらのサイトからご覧ください。
賢い犬種として、確固たる知名度を誇るボーダーコリー。
一方で、初心者には向かないと言われています。
本当にそうなのでしょうか。
私はそうは思いません。
長年、わんこと共に暮らしていますが、その時代によって、お世話の方法が変わってきます。
また、犬種や個性によっても異なります。
わんこの飼育初心者だからボーダーコリーが手に余るわけではないと思います。
しかし、「賢い犬」というイメージだけでは、お世話ができないわんこでもあります。
私の経験からではありますが、ボーダーコリーは「パワーが違う」ということが現在行きついた結論です。
この記事では、私が出会ったボーダーコリーについて、記憶に残るお世話歴をまとめました。
同じボーダーコリーでも、色々な性格や特徴がありますので、一例として参考にしていただければ嬉しいです。
成犬までの破壊期
わんこにとって、子犬の時期は破壊的なかわいさがありますよね。
でも、我が家のボーダーコリーは破壊力もすごかったです。
「1歳ごろには落ち着く」と言われますが、それは「1歳までは壮絶」という意味でもあるのだと思います。
ボーダーコリーの天が我が家にやってきたとき、彼は生後3か月。
飼い主2人はフルタイムで仕事をしています。
お迎えした数日は、有給休暇を取りましたが、その後は一日中お留守番をしてもらわなければなりません。
私たちが子犬期に苦労したことは以下の3つです。
留守時のうんちまみれ
仕事の日は、ゲージの中にいてもらっていましたが、帰宅すると、毎日排泄物まみれ。
それはそうですよね。
子犬は、たくさん食べて、たくさん寝て、たくさん出すのが仕事ですから。
それは分かってはいるけれど、仕事後の掃除洗濯、シャンプーはなかなか堪えます。
天が来たのは秋だったため、仕事から帰って、寒空の下でサークルの中を掃除し、床のトレーとトイレトレーを外して水洗いするのは、かなり辛かったです。
また、天も汚れていますので、汚れがひどいときは、そのままお風呂場まで連れていきシャンプーをします。
その後、大人3頭の散歩に行き、帰ってきたらまたウンチ爆弾なんてこともしばしば。
トイレトレーで排泄することは、ペットショップにいた頃から覚えていましたので、トイレトレーニングは苦労しませんでした。
しかし、体が大きくなるにつれ、トイレトレーの中にオシッコが収まらなくなっていきました。
結果、ゲージの中がぐちゃぐちゃになっている、という状態になります。
他3頭は女子ですので、用を足すときはしゃがんでするため、トイレトレーからはみ出ることは滅多にありません。
詳しいトイレ事情については、別記事をご覧ください。
破壊活動
好奇心と歯の抜け替わりの時期が原因ではないかと思います。
今までに破壊された主なものです。
サークルとソファは1つずつですが、あとの物は数え切れません。
まず、トイレトレーは子犬期ですが、ゲージの中に入っている唯一の物でした。
トイレトレーの端をかじる、上に持ち上げて落とす、中のトイレシートを出して散らかすなど、ありとあらゆる悪戯をしました。
持ち上げられないように、大きなトイレトレーにしたり、蓋が外れないようにガムテープを張ったりしたのですが、無駄でした。
しっかり持ち上げて落とし、破壊しようとしていました。
トイレトレーは、5つくらい買い直したと思います。
犬用ベッドと足ふきマット類は、とにかくかじります。
布製品をかじるのがお好みらしく、現在でもたまに破壊します。
冬は寒いと思い、留守番してもらうゲージの中に、マットやフリースなどを入れて、無傷だったことは一度もありません。
サークルの木枠は、乳歯の抜け替わり時期のみだったのですが、かなりボロボロになりました。
かじり過ぎて、中の鉄の支柱がむき出しになった箇所もありました。
この時期は、ビターアップルのお世話になりました。
ビターアップルは、天だけではなく、歴代のわんこたち全員のガジガジ問題の際に活用しました。
効果はてきめんですが、難点は持続性がないという点です。
その場でかじるのを止めさせたい時にスプレーをすると苦い味がするので止めますが、10分ほどすると匂いや味が消えるようです。
そのため、木枠のガジガジは天の歯が抜け替わるまで終わることがありませんでした。
床トレーは、サークル自体が伸縮式のものだったため、床トレーには継ぎ目がありました。
その部分を足で掘って掘って掘りまくり、段差部分をガジガジして少しずつ破壊していきました。
伸縮式サークルは、成長に合わせてサークルのサイズを変えることができます。
また、屋根面も取り付けられますので、我が家では留守番時の脱走防止に使用していました。
出入口の位置も変更可能、床面トレーは取り外して丸洗いすることができますので、子犬期には本当に助かりました。
木枠だったため、室内のインテリアとして馴染むので、木枠をかじらないわんこにはお薦めです。
ソファは、天史上最大の偉業です。
ソファの破壊は、単独犯罪ではなく、しおんとの共犯だと推察しています。
賃貸住宅から一軒家に引っ越したタイミングで、ボロボロ木枠のサークルを廃棄し、留守番をフリーにしてみました。
しかし、これは飼い主の判断ミスでした。
帰宅するたびに何かが荒らされていたのです。
最初は、天の大好きなマットや、わんずたちのベッドがかじられていました。
(マットは、衝撃吸収のためにソファの下に敷いていました)
最初はソファの角の部分が少しだけ傷がついている程度でした。
その傷が、小さな穴になり、その穴が大きくなり、最終的にはソファの側面が全てむき出しの状態になりました。
ソファの穴が広がり始めた時に、穴が見えないようにするために全体を覆うカバーで防ごうとしました。
しかし、この対策もあまり効果はありませんでした。
天は、ソファーカバーを上手に外して、更に傷口を広げていきました。
ボーダーコリーとの生活は、家具も消耗品と化します。
脱走
脱走と言えど、室内での脱走です。
使用していたゲージの出入り口にはバネ式のロックが付いていたのですが、それを中から外していたことが数回ありました。
脱走自体は特に問題はないのですが、天が室内で自由に動き回ってすることに問題がありました。
それは、大好きな布製品をかじることです。
当時、わんずの床滑り止め用に敷いていたフロアマットがボロボロに。
毎日仕事から帰宅して、玄関を開けた時の異様な空気感が恐怖でした。
布を飲み込むことはそれほどなかったですが、食べたものは便から出てきました。
「1歳になると落ち着く」のは、我が家も該当しました。
天がちょうど1歳を過ぎたあたりから、急に落ち着き始めたのです。
とは言え、ソファの破壊は2歳を過ぎてからですので、完全に大人しくなったわけではありません。
「好奇心だけで行動し、破壊活動に転じる」ということはなくなり、「やってはいけないことを理解し、自制できる」ようにはなりました。
車追い&力が強い問題
ボーダーコリーあるあるです。
車追いに関しては、別記事で詳しくまとめてありますので、そちらをご覧ください。
天をお迎えして、他の3わんずとは力の強さが全く違うことがすぐに分かりました。
まだ小さかったのですが、おもちゃで遊ぶ時や、散歩の引っ張り具合が別モノでした。
先代ボーダーコリー、かのんの時の力具合とも違いました。
かのんは体重が15キロくらい、天は痩せ体質だった時は12キロくらいでした。
(現在は体もしっかりして18キロになりました。)
体は、かのんのほうが大きかったのですが、天の力は、かのんより随分強いです。
これは性別の差かもしれません。
天は、車と他のわんこさんに出会うと引っ張ります。
その時の引きが強いので、引っ張られないように対策を取っています。
車や、わんこさんが近づく前から「マテ」と言い続けると、自制がきくようでそれほど引っ張りません。
万が一、引っ張られたときに体が持っていかれないように、リードは腰に巻き、手で長さを調節できるようにしています。
それから、飼い主の対策として、筋トレと体幹を鍛えるようにしています。
幸い、突然の引っ張りなどで、天や飼い主が負傷したことはありませんが、力が強い故に加減が分からず、怪我に繋がったことは何度かあります。
例えば、遊んでいる時に、ひっかかれ流血したり、頭突きされて青あざができたり、天の鼻で目つぶしをくらったり・・・(全て飼い主が被害者側です)。
ボーダーコリーと一緒に暮らすと、生傷も絶えませんが、人間の筋力・体力アップにも繋がります。
スイッチ入る問題
これが一番深刻です。
先述した子犬期は、時が経てば薄れることですし、車追いや力の強さも対策で何とかなっています。
スイッチが入るのも、予測ができるようになってきましたが、突然のことだと大事に繋がります。
明確に「これがスイッチだ」というものを、私たちが全て把握しきれていませんが、スイッチが入ると、興奮して攻撃的になります。
飼い主に攻撃することはありませんが、他わんずに対する攻撃です。
3わんずは天より小さいので、怪我の恐れがあります。
実際に今まで凛と海が怪我をして、病院のお世話になったことがあります。
海の場合は、天だけが私たちと外出して帰宅したときに、留守番組の3わんずとのテンションが違っており、少し興奮していました。
その時、トイレをするタイミングが海と天が同じになってスイッチが入ってしまったようです。
凛の場合は、凛がくつろいでいたところに天が凛を踏んでしまいました。
怒った凛が嚙みついて、それに驚いた天が攻撃した結果、力の差で凛が負傷してしまいました。
どちらの場合も、飼い主が二人ともいたので、一人が小さい方のわんこを抱えて、もう一人が天を引きはがしました。
体格が違う多頭飼いは、力の差が大きくなりますので、本当に気をつけなければならないと肝に銘じた出来事です。
4わんずは、「仲良しでいつもベッタリ」という間柄ではないですが、それなりに仲が良く共生しています。
天は末っ子なので、体は一番大きいですが、基本的には他わんずには遠慮する姿勢です。
ただ、何かあった時には必ず力の差がありますので、飼い主として対処することを怠らないようにしたいです。
わんずの間での不穏な空気ができることがあるので、その時は体の大きなほうに別の部屋に行ってもらいます。
天のスイッチで分かっていることは、少し興奮気味になる時と、天が嫌がることがある時です。
興奮気味になるのは、ご飯の後、インターフォンが鳴った時、室内で排便した時。
嫌がることは、トイレトレーの掃除をする時、しおんが吼える時。
このような時は、天に部屋から出てもらいます。
天も、そのほうが良いのか、自ら部屋を出ていきます。
スイッチを切ることはできないので、可能な限りそのスイッチを入れないようにすることが飼い主の責任だと考えています。
現在は、飼い主不在の場合には、天だけサークルの中に入って留守番をしてもらっています。
まとめ
ボーダーコリーの子犬期からのお世話を振り返ると、「大変だったなぁ」と思います。
先住3わんずは、お迎えして数か月は、ぬしBが日中のお世話ができる状態だったので余裕がありました。
また、破壊活動もそれほど大したことはなかったです。
天をお迎えしたときは、子犬期から留守番をしてもらっていましたので、大変だったのは当然だと思います。
とにかくボーダーコリーはパワフルです。
同じボーダーコリーでも、個体や性格の違いで、大人しい子や超ハイパーな子など千差万別だと思います。
ただ、色々なボーダーコリーとその飼い主さんを見ていると、我が家はまだ大したことがないほうだなと思います。
ボーダーコリーは使役犬です。
力と体力があり、飼い主をよく見ています。
知能も高いので、判断力や理解力も素晴らしいです。
それを活かすも殺すも、私たち飼い主次第です。
私が思う、ボーダーコリーと共に暮らすために備えておきたいことは以下の4つです。
- 好奇心と破壊力に寄り添う根気
- パワーを受け止める体力
- 飼い主と認めてもらう威厳
- 行動や考えを理解しようとする姿勢
これらは、ボーダーコリーに限ったことではありませんが、特にボーダーコリーに対しては半端な気持ちではいけないと実感しました。
先代犬かのんも、2代目の天も、私たち飼い主の言葉をよく理解してくれます。
また、空気を読むことも、状況を判断することも、ずば抜けています。
飼い主のことが大好きで、私たちの存在をいつも気にしてくれます。
確かに、ボーダーコリーのお世話は生半可な気持ちではできません。
心が折れそうになることもたくさんありました。
力も強いし、賢さあまって黒い悪魔に見えることもあります。
でも、そこも彼らの魅力です。
もしまた、イチからわんこと暮らすとしたら、私はきっとボーダーコリーと一緒に暮らしたいと思います。
大変さは足し算、楽しさは掛け算以上。
皆さまにとって、素敵なわんわんライフになることを願って。
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