わんこ飼いには辛い季節がやってきました。
四季の中でも、お世話をするのに四苦八苦する季節、それは夏。
温暖化の影響もあり、毎年のように「最高気温」が過去最高になるこの季節。
私たち人間(大人)は、自分で温度調整や対策ができますが、わんこたちは飼い主が命綱です。
「これくらい大丈夫だろう」や「自分たちは暑くないから」という感覚は、わんこにとって取り返しのつかないことになりかねません。
多種多頭の暑さ対策は2つです。
- 暑さ調整は、暑がりな犬に合わせる
- 暑さ対策グッズで乗り切る
この記事は、働きながらの多頭飼いの私たちが、試行錯誤しながら、これは効果があるかも!と感じたことをまとめてみました。
犬の熱中症と症状
アニコム損保によると、「熱中症」による保険請求件数は例年約800件ほどだそうです。
2021年度調査では、発生場所は屋外48.7%で、自宅内は43.2%。
室内だからといって、油断はできませんね。
また、熱中症で受診した犬のうち、死亡率は50~60%と言われています。
犬は、熱中症に限らず症状が出たときには重症になっていることが多いとも言われていますよね。
飼い主が基本的な知識を持ち、対策をすることで、熱中症は防げると思います。
いくつかの資料や情報を参考にし、概略をまとめました。
詳細については、記事最後の参考資料をご覧ください。
直腸温が40.5℃を超えると高体温、危険状態となります。
上記症状が出たら、命の危険があるため、すぐに動物病院の受診をします。
病院へ電話をしている最中や、移動中にも下記のような応急処置を続けることが推奨されています。
熱中症の基本的な知識と同時に、わんこたちの普段の状態を把握しておくことで、異常を見つけやすくなると思います。
飲み水は普段どのくらい飲んでいるか、体の熱さは平常時と散歩後、どのくらいの差があるかなど、毎日チェックするようにしたいですね。
多頭の暑さ対策
室内
エアコン
我が家のわんずは、寒さに弱い小型犬から暑さが苦手な中型犬までの多種多頭です。
寒さは、服を着たり毛布にくるんだりできますが、暑さは個別対応が難しいため、一番暑がりな天に合わせて調整しています。
小さいわんずには、様子を見て、場合によっては服を着てもらっています。
犬の適温は25~28℃、湿度は45~65%と言われています。
それを目安に、天が快適に過ごせる25~26℃に設定してエアコンを一日中稼働させています。
冷感マット
犬の体温調節の方法として、パンディング、水を飲む、排尿、冷たい所にお腹をつけるなどがあるそうです。
お腹をつけるところが冷たくなるように、ベッドやゲージの中に冷感マットを使用しています。
ベッドの上には、ニトリのNクールシリーズをカバーにしています。
ベッドカバーを季節ごとに変えることで、ベッド自体は一年中使え、カバーはいつでも洗えます。
Nクールって、人間は冷たくて気持ちがいいのですが、わんこにはどうなのかな?と思っていました。
しかし、いつも誰かがNクールの上に寝そべっていますので、わんこにとっても気持ち良いのだと思います。
また、天のゲージには、アルミプレートを敷いています。
以前は少しでも柔らかいほうが良いのではないかと、ジェルマットを敷いたのですが、柔らかいが故にかじられ、破壊されました。
アルミプレートは、破壊される心配もないですし、冷感度も段違いです。
適度な歯ごたえは破壊のモトだよ!
日光遮断
お留守番をしてもらっている時は特に、部屋に直射日光が入ってこないようにしています。
我が家は日が入る方向に窓が向いていないため、家の中は比較的涼しいほうですが、夏場の太陽が高い時期は日が入ります。
そのため、できる限りエアコンの効き目を保つよう、日中は雨戸を半分以上閉めて日の光を抑えるようにしています。
散歩
朝
朝の散歩は、気温が上がりきる前に行くようにしています。
普段の休日は、少しゆっくり起きて、のんびり時間をかけながらしているのですが、夏はそうはいきません。
休日は、5時ごろに車で近くの大きな公園に行き、森の中を歩くようにしています。
平日の朝散歩は、自由意志制ですので、凛と海はあまり参加しません。
小型犬は、地面までの距離が短いため、道路の暑さをダイレクトに感じます。
そのようなこともあってか、朝はエアコンの効いた部屋で寝ていることが多いです。
対策しなければならないのは、コリー系の2頭です。
この2わんずは、暑さは苦手なのですが、それ以上に散歩が大好きなので構わず行きたがります。
特に天はとても暑がりです。
更に散歩コースを2周しますので、その点でも注意が必要です。
パンディングが激しいようであれば、1周で終了します。
そうでなければ、2周しますが適宜水分補給をするようにします。
散歩から帰ったら、体温を下げるために3つのことを行います。
- SUO ICEクールリングで首を冷やす
- シャーベットを食べてもらう
- エアコンの設定温度を下げる
あらかじめ冷蔵庫で冷やしておいたSUO ICE クールリングを、体温調整に良いとされている首に付けます。
このクールリングの詳細は別記事にまとめました。
シャーベットはわんこ用のものを、予め凍らせておきます。
エアコンは設定温度を24℃に下げ、天のいる位置に風が当たるようにします。
この3つをすると、暑さが早く和らぐようで、パンディングも落ち着きます。
人間は汗をかいて体温を下げることができますが、わんこは口呼吸が体温調節のメインです。
そのため、体の外と中からの冷却を手伝うことで、暑くなる時間をできる限り少なくするようにしています。
夕方
普段は人間とわんずの夕食前に行っていますが、真夏は夕食後の日没後に変更しています。
私たちが住んでいる所は、田舎ですので、室外機からの熱波や、アスファルトの照り返しがひど過ぎて、いつまでも気温が下がらない、ということはそれほどありません。
しかし、さすがに夕方の気温は酷暑です。
日が落ちてしばらくすると、田んぼ道は涼しい風が吹いて気温が少し和らぎます。
休日の夕散歩も、普段なら1~2時間ほどかけて歩くのですが、夏場は短めにしています。
朝と同様、散歩に出かける前に、エアコンの設定温度を下げて、帰った時に部屋が冷えている状態にしています。
車内
わんずとの車移動の場合、後部座席をフルフラットにして乗ってもらっています。
我が家の車は、後部座席にエアコンの吹き出し口がないため、運転席からの風が循環するようにしています。
ポータブルファンを後部座席に取り付けることによって、想像以上に快適になります。
暑がりな天としおん対策として、2頭のクレートの中には、ジェルマットを敷いています。
また、車は直射日光が入りやすいです。
UVカットガラスであっても熱は通しますので、後部座席の窓はシェードをしています。
飼い主と私たちの間の温度差がないように、常にチェックしてね!
お薦めグッズ
暑がりコリー系2頭のおかげで、色々なひんやりグッズに出会うことができました。
色々試した中で、本当にお薦めできるグッズを4つ、ご紹介します。
アルミプレート
とにかく冷たくて耐久性があります。
ジェルマットは触り心地は良いのですが、耐久性はアルミプレートよりは劣り、誤飲の心配もあります。
その点、アルミプレートはかじることができないので、留守番をしてもらう時にも安心して使うことができます。
また、汚れてもすぐに水洗いができますし、薄いのでオフシーズンは立てて隙間にしまっておくことができます。
破壊することが好きなわんこに、特にお薦めです!
給水器
4頭になってからずっとこれを使っています。
夏場は特に、十分な水分が必要になりますので、大容量のこちらはお薦めです。
我が家は、ちょうど1日でこの水がなくなりますので、水分補給ができているかの目安になります。
同じような給水器はいくつか見たことがありますが、どれも給水口が狭く、中まで洗いづらいのがネックです。
こちらの給水器は、シンプルな作りになっているため、耐久性も良く、何よりお手入れが簡単です。
給水タンクも皿も凹凸が少ないため、簡単に洗うことができます。
以前はウォーターノズルを使っていましたが、のどが渇いている時の水分補給としては一度で飲める量が少ないことや、時々むせることもありました。
わんこ本来の水の飲み方は、下を向き、舌をおたまのように曲げて水をすくって飲む姿勢です。
できる限り自然な状態で飲めるほうが良いと思い、こちらに変更しました。
多頭の給水器として、我が家にとっては、何年も変わらずこれがベストだと言えます。
Mサイズは2.7リットルの容量です。サイズ違いのSは、1.5リットル入ります。
ゼリー
水分補給と体温冷却が同時にできます。
また、1つずつカッブ式になっているため、持ち運びもできるため外出先であげることもできます。
特に天が分かりやすいのですが、散歩から帰ってきて、パンディングで暑そうにしているところにこの冷凍ゼリーを食べると、すぐに落ち着きます。
これは飼い主も驚きでした。
天は見た目によらず食べ方は上品なので、少しずつ食べるため冷却効果もあるかもしれません。
他のわんずは豪快に食べるため、1つを小さく切って一口ずつ食べるようにしています。
真夏は冷凍にしてシャーベット状で、少し涼しくなってきたら冷蔵もしくは常温にしてゼリー状であげています。
一つ難点は、メーカーによって開封しにくいことです。
特に外出先で開けにくいと、手もべたつき厄介です。
その場合は、あらかじめ容器から出して、ジップロックなどのチャック付きポリ袋に入れて持っていくようにしています。
ヤギミルク
水分と栄養補給ができます。
我が家の4わんずは、夏バテで食欲が落ちることは今のところありませんが、暑さは体力を消耗するため対策にヤギミルクをあげています。
ヤギミルクは、散歩後にあげています。
栄養も豊富で、嗜好性も高いため、ゴクゴク飲んでくれます。
ヤギミルクは、犬の母乳に近い成分が含まれていると言われています。
また、犬の消化不良の原因であるラクトース(乳糖)の脂肪球が牛乳に比べて小さいため、消化に良いとされています。
色々なヤギミルクを調べましたが、国産のものは数も少なく割高でした。
行き着いたのは、オランダ産粉末ヤギミルクです。
オランダは、EU最大の乳製品輸出国であり、酪農国として長い歴史と伝統があります。
ヤギミルクは原乳を24時間以内に処理するなど、国家主導で厳しい品質管理が徹底されています。
高品質、高栄養で最高だね。
我が家では、こちらのヤギミルクをあげています。
粉末なので、賞味期限も1年ほどと長く、色々な使い方ができるのも楽しいです。
- 溶かしてミルクとして飲む(水分補給)
- ミルクゼリー(おやつ、トッピング)
- 凍らせてアイスにする(散歩後のクールダウン)
これから先、わんずが夏バテで食欲不振になった場合には、粉末のままフードにかけてあげてると良いのではと思います。
サイトの口コミでは、食が細いわんこで改善が見られたコメントが多かったので、そのようなお悩みのあるご家庭では、試されると良いかもしれません。
まとめ
毎年暑くなっている夏。
人間も、日中の移動は命の危険を感じる日も多いですよね。
わんこは、毛皮を脱ぐこともできず、汗をかくことも、クーラーのスイッチを自分で調整することもできません。
わんこの暑さ対策は、飼い主がすべてです。
熱中症は防げるものです。
普段から、わんこの健康状態を知り、異常を感知することと併せて、できる対策と予防は怠らないようにしたいと思います。
特に、働きながらの多頭飼いは、留守中の快適な環境を作っておくことが大切です。
適切な室温、十分な水分、体が冷やせる場所など、体の大きさや犬種によって、柔軟に対応していきたいですね。
大変さは足し算、楽しさは掛け算以上。
皆さまにとって、素敵なわんわんライフになることを願って。
参考資料・データ
熱ゼロ研究レポート:飼い主に聞いた「愛犬の熱中症」に関する調査(熱ゼロ研究室)
こんな人は特に注意!「犬や猫を飼っている人」(熱ゼロ研究室)
セミナー資料 (アニコム損害保険株式会社STOP熱中症プロジェクト)
熱中症が起きやすい条件は『屋外×昼過ぎ×晴れ×25℃以上』(アニコム損害保険株式会社STOP熱中症プロジェクト)
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