”ドッグドック”ってご存じでしょうか。
そう、”人間ドック”の犬バージョンです。
この回では、犬の健康診断、通称”ドッグドック”についてお話します。
ドッグドックとは?
犬の寿命と年齢について
犬の寿命は近年伸び続けています。
2021年全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人ペットフード協会)によると、以下のような結果となっています。
犬全体の平均寿命は14.65歳で2010年に比べ0.78歳プラス、猫全体の平均寿命は15.66歳で2010年に比べ1.30歳プラスで平均寿命は犬猫ともに2010年以来伸びている。
犬は、超小型犬の寿命が長く、また、猫場合、「家の外に出ない」猫の平均寿命は16.22歳、「家の外に出る」猫の平均寿命は13.75歳と寿命に大きな差があった。
2021年全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人ペットフード協会)
しかし、人と比較すると約4倍のスピードで歳をとっていきます。
犬の年齢と人間の年齢を比較すると、下記の表のようになります。
犬の年齢 | 人の年齢に換算 |
2ヶ月 | 3歳 |
6ヶ月 | 9~10歳 |
1歳 | 15~18歳 |
2歳 | 22~24歳 |
3歳 | 27~28歳 |
4歳 | 31~33歳 |
5歳 | 36~37歳 |
6歳 | 41~42歳 |
7歳 | 45~46歳 |
8歳 | 48~51歳 |
9歳 | 54~55歳 |
10歳 | 56~60歳 |
11歳 | 63~64歳 |
12歳 | 68~69歳 |
13歳 | 71~73歳 |
14歳 | 77~78歳 |
15歳 | 80~82歳 |
16歳 | 85~87歳 |
17歳 | 89~91歳 |
18歳 | 93~96歳 |
19歳 | 98~100歳 |
20歳 | 100~105歳 |
我が家のわんず達を例にとると、下記のようになります。
我が家わんず | 年齢 | 人の年齢に換算 |
天 | 3歳 | 27~28歳 |
凛・海・しおん | 6歳 | 41~42歳 |
あんなにも愛くるしい我が子たちも、なかなかいい年齢になっています。
犬を飼ったはじめから直面する課題として、年を取るスピードの速さと人よりも遥かに短い寿命があります。
犬の一生はあっと今です。
そんな一生を、いかに健康に幸せに暮らしてもらうかが飼い主としての永遠のテーマであり責任です。
犬に健康診断は必要?
人間だと、会社で働いていれば毎年必ず健康診断に行きますよね。
また年齢を重ねてくるにつれ、標準の健康診断では発見しにくい病気のリスクを避けるためにも、
”人間ドック”も受けられる方もいらっしゃると思います。
対して、犬が病院に行く時とは・・・?
- ケガや病気をした際
- ワクチン接種の時
- 避妊・去勢手術の時
基本的には、これくらいかと思います。
何もないのに病院に行くことは、人間だってあまりしません。
具合が悪くなってから受診する方が多いと思います。
しかし、私たち人間と違って犬は、「ちょっと具合悪いかも?」「少し倦怠感があるな」「少し痛いな」くらいでは、サインを出してくれません。
サインを出した時には、もう重篤な状態であることがほとんどです。
犬はとても我慢強いです。
先に紹介したように、犬の年を取るスピードが早い=病気の進行も早いということです。
食欲も元気もあるけど、ちょっといつもと様子が違うような気がする・よく目を掻くようになった気がする・いつもよりも寝ている時間が多い・反応が少し遅いような気がする・・・
病気によっては、ちょっとの変化でも受診をした方が良い場合も多いです。
毎日、スキンシップを取りながら健康観察をすることが何よりも大事です。
そこにプラスして、”定期健診”を推奨する獣医さんも多くいます。
症状は出ていないけど、血液検査やホルモン検査でいち早く病気を発見し、早期治療を開始することが出来るというメリットがあります。
動物病院によっては、”定期健診”と呼んだり”ドックドック”と呼んだり様々ですが、
個人的には”定期健診”よりも多い検査項目を行うものが”ドッグドック”であると認識しています。
そりゃ~、健康診断やドックドックは受けないよりは受けたほうが安心かもしれんが・・・
費用もかかるし、ただでさえ病院が嫌いな子なのに可哀そうなのよね
そうですよね。
定期健診やドックドックを受けるかどうかは、わんちゃんの性格と飼い主さんの気持ちと価値観によって変わってくると思います。
かく言うわたくし、ぬしBも最初に迎え入れたボーダーコリーのかのんに、定期健診とドッグドックを毎年受けてもらっていた理由は、自分で決めたというわけではありませんでした。
初めて犬を飼うぬしB家族は、右も左も分かりませんので獣医さんに勧められるがまま、最初のドックドックを受け、その後は習慣化していた、といった感じでした。
また、ぬしBの家族は非常に心配性で『予防できるものはすべて予防する!』という価値観がありましたので、そこでまた後押しされました。
現在飼っている4頭は、ドッグドックは受けていません。
ワクチンの時期やフィラリアの予防薬をもらいに行く際に、簡単な診察をしてもらう程度です。
田舎すぎるため、近所にそのような予防的な取り組みを行っている動物病院がない、ということも大きな理由のひとつです。
ドッグドックの内容・費用について
気になるのが、ドックドックで何を調べるの?
頻度は?費用は?
そこで、実際にドックドックで調べてもらった項目及びその費用を、一例ではありますがご紹介したいと思います。
※病院によって項目や費用は異なりますので、あくまで目安として参考にしていただければ幸いです。
ドックドック項目・料金一覧
まずは、ドックドックの項目と費用の一覧です。
かのんの時は、春のワクチン接種の際にまとめてお願いすることで、本人(犬)の負担を軽くしていました。
採尿・採便に関しては持参していきます。(新鮮なものを持参)
診察台の上で頑張ってもらうことは、身体検査と採血の二つです。
検査項目 | 詳細 | 料金 |
身体検査 | 眼、耳、皮膚を含む | ー |
血液検査 | 血球算定(貧血・感染・止血状態など) 生化学(肝機能・腎機能など) 電解質(ナトリウム・カリウム・クロール) | 11,810 |
尿検査 | ph、比重、結晶の有無など | 2,600 |
便検査 | 寄生虫、細菌、消化状態など | 1,238 |
甲状腺機能検査(T4) | 甲状腺ホルモンの検査 | 4,400 |
合計金額 | 20,048 |
定期健診項目・料金一覧(血液検査のみ)
春にはドックドックを受けてますので、秋は血液検査のみお願いしていました。
(通院していた病院では、秋の血液検査キャンペーンなるものが開催されるので、その時期にあわせてお願いしていました。)
この回では、血液検査のみとなります。
項目と費用一覧です。
検査項目 | 詳細 | 料金 |
身体検査 | 眼、耳、皮膚を含む | ー |
血液検査 | 血球算定(貧血・感染・止血状態など) 生化学(肝機能・腎機能など) 電解質(ナトリウム・カリウム・クロール) | ー |
甲状腺機能検査(T4) | 甲状腺ホルモンの検査 | ー |
セット料金 | 8,800 |
ドッグドックや定期健診のメリット・デメリット
メリット
- 病気の早期発見の可能性が高まる
- 愛犬の体の特徴を知ることができ、将来なりやすい病気のリスクに備えることができる
- 通常時の検査データが蓄積されるため、少しの異変にも気が付きやすい
- 日常的に病院に通うことで、病院との連携や信頼関係が構築でき、万が一の際に安心してお願いできる
- 日常的に病院に通うことで、万が一入院になった際も愛犬へのストレスが軽減される
デメリット
- 費用が高額
- 検診時の愛犬の負担
- 必ずしもすべての病気を早期発見し、治療が出来るとは限らない
もともと持病や疾患があるわんちゃんであれば、メリットの方が大きいかと思います。
ドッグドック・定期健診の注意点
注意点として理解しておいたほうが良いことは、
ドックドックや定期健診を受けているからといって、必ずしも病気を早期発見し治療ができるわけではない、ということです。
先述した通り、犬の病気の進行は恐ろしく早いです。
タイミングによっては、検診時に手遅れの状態で病気が発見されることもあり得ます。
ぬしBの最初の愛犬、かのんは、10歳の誕生日に癌が発覚しました。
春のドッグドックでは問題がありませんでしたが、秋の定期健診で癌が見つかり、既にリンパ節へも転移しており治療困難な状態でした。
とても元気で食欲もあるのに、検査の結果が癌・・・。
それはもうショックでした。
癌と診断された日を境に、急に具合が悪くなるわけもなく、しばらくの間は信じることができませんでした。
誤診であってほしいと願いました。
しかし進行は早く、その後3か月の闘病で他界しました。
恐ろしくタイミングの悪いケースだったと思います。
ただ、健康診断を受けて事前にその事実を知ることができたおかげで、
残された時間を気持ちの整理をしながら、悔いの残らぬように今まで以上に一日一日を大切に、ともに過ごすことができました。
まとめ
犬は、具合が悪くても少しぐらいならば我慢してしまいます。
飼い主が、常日頃愛犬のサインに気が付いてあげれることが一番大事です。
それでも、体の中で進行する病気には、気づくことは困難です。
ドッグドックや定期健診を利用してみることも、ひとつの選択肢として知っておくだけでも十分かと思います。
大事な愛犬が私たちに与えてくれる大きな幸せに対して、わたしたち飼い主が出来ることはとても少ないですよね。
一日一日を大切に、過ごしていきたいですね。
大変さは足し算、楽しさは掛け算以上。
皆さまにとって、素敵なわんわんライフになることを願って。
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