犬の闘病記録【悪性リンパ腫】

健康・お手入れ
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わんちゃんの寿命は、私たち人間よりも短いです。

迎え入れたその時から、そのこの最期を看取るまでがわんちゃんとの暮らしであり飼い主の責任でもあります。

しかし、毎日元気なわんちゃんと暮らしていると、そんなことを忘れてしまう瞬間も多くあります。

わんちゃんのお誕生日を迎えるたびに、「元気に年を重ねてくれてありがとう」という気持ちのほかに、頭の片隅には「寿命に近づいていく寂しさ」も感じてしまいます。

そして、想定していた寿命を全うできずに、途中で病気を患うわんちゃんも多くおられるかと思います。

今回は、先代犬であるボーダーコリーのかのんが患った病気と、私たち飼い主の話をさせていただきます。

あくまで、わんちゃんの病気との向き合い方・付き合い方のひとつのケースとして読んでいただければ幸いです。

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かのんについて

かのん10歳

まずは、かのんについて少しご紹介します。

犬種と性別と性格

犬種は、ボーダーコリーです。

性別は女の子です。

もともと、ぬしBの実家で飼い始めたわんこです。

実家と言えど、ぬしB姉とぬしBの二人暮らしで、親からは生活費の援助をしてもらいながら暮らしていました。(親は仕事の為、他県に仮住まいで住んでいました)

ボーダーコリーはとても賢いです。

初めて犬を飼う私たち姉妹にとって、かのんとの生活は楽しくもあり、時には投げ出したくなるほど大変だと感じることもありました。

かのんは、そんな私たち姉妹に対してとても寛容で、優しい子に育ってくれました。

食べること・甘えること・遊ぶことが大好きな、病気知らずの子です。

かのん生後2か月
かのん生後2か月

生活環境

生後2か月で迎え入れてから、7歳まで実家でぬしB姉妹と一緒に育ちました。

途中、ぬしBが2年ほど他県の大学に通ったため、ぬしB姉が一人でお世話をする時期もありました。(働きながらの為、相当大変だったと思います。)

基本的には日中は外(家の庭)で過ごし、夜寝るときだけ家に入れるという、飼い方をしていました。

その後、家族内でそれぞれ生活の変化があり、かのんが7歳の時に、ぬしBはかのんを連れて実家を出ました。

かのんはぬしBが引き取りましたが、ぬしB家族は離れた場所からでも出来る方法でかのんのお世話にずっと関わってくれました。

そして、ぬしAとかのんとの2人+1頭の暮らしがスタートしました。

かのんにとっては、第2の家族としてのスタートです。

アパート暮らしに変わったので、かのんが家の中で過ごす時間がぐっと増えました。

飼い主が仕事の時はバルコニーで過ごし、帰宅後は家で過ごすという、半分外・半分家、という生活に変わりました。

一軒家だった実家とは違い、アパートは狭いので、どこにいてもかのんの視線や気配を感じられることが出来ました。

ぬしB姉の結婚式にも参列(式中のお世話係はぬしA)
新しいおうちで再スタートのハイタッチ

年齢

10歳で他界(2005年10月~2015年1月)

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かのんと病気

ストラバイト尿路結石症

7歳になるまで、ワクチンや定期健診以外で病院に行ったことはありませんでした。

7歳で引っ越しをしてしばらくした時、頻尿が気になり病院で診てもらったところ、「ストラバイト尿路結石症」という疾患が分かり、投薬治療とフードの変更をして改善しました。

フードは、PH値をコントロールできる療養食を使用しました。

治療完了後も繰り返す可能性があるとのことだったので、注意してみていきました。

ストラバイト尿路結石症

尿石症(尿路結石症)のひとつです。尿石症は、尿に含まれるさまざまなミネラル成分が結晶化し、腎臓、膀胱、尿道などの泌尿器で結石となり、さまざまな症状を引き起こす病気です。

ストラバイト尿石は、食事で尿中の酸性度を中性に保つようにすれば、溶かすことができます。かかりつけの動物病院で、専用の療法食を処方してもらいましょう。このとき、療法食以外のものは、基本的には食べさせないようにしましょう。

血尿など炎症症状が強い、または症状が長引く場合は、外科手術による摘出を行います。男の子で尿道閉塞の危険性が高い場合も、外科手術の対象となります。

(アニコム・犬との暮らし大百科より)

甲状腺ホルモン【T4】低数値

かのんの通う病院では、フィラリア検査時に、追加で血液検査も行ってくれます。

そのタイミングで、ドッグドックもお願いしています。(血液検査などを含む健康診断セット。ヒトでいうところの人間ドック)

一度の採血で済むので、わんちゃんにとっても負担が少なくなります。

7歳以降は「シニア」の部類にはいるので、今まではしてこなかった「甲状腺ホルモン」の項目についての検査も行います。

その検査で分かったことが、「T4」という甲状腺ホルモンの状態を示す数値のわずかな異常でした。

ただ、この時点では「要観察」のレベルでしたので、経過観察を行っていくことになりました。

その後、毎年検査をしましたが、数値の異常は認められるものの大きな異常ではなく、症状も出ていないという理由で、経過観察が続きました。

日常生活では元気そのもの。食欲も旺盛で、病気の気配は全くありませんでした。

「T4」甲状腺ホルモンについて

甲状腺とは、甲状腺ホルモン(T4、FT4など)を分泌し、全身のあらゆる組織に作用し、その新陳代謝・働きをつかさどります。ホルモンの量は間脳視床下部によって監視され、厳密にコントロールされており、甲状腺ホルモンの増減に伴って、脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌も増減します。健康な個体ではこれらのホルモンの分泌の波が正常な範囲内で維持されています。これらのホルモンのバランスが崩れると、様々な症状が引き起こされます。

診断には、血液検査による甲状腺ホルモン(T4、FT4)および脳下垂体ホルモン(TSH)の測定が必要です。甲状腺ホルモン(T4、FT4)が低く、脳下垂体ホルモン(TSH)が高い場合、甲状腺機能低下症の確定診断が下ります。

(ベッツアニマルクリニック瀬戸HPより)

悪性リンパ腫

かのんが他界した、直接の原因となった病気です。

診断から約2か月で他界しました。

このブログでは、この悪性リンパ腫と診断されるまでの経緯と、診断後の葛藤、看病、生活について書いています。

犬のリンパ腫

リンパ腫は血液中にある白血球の一つであるリンパ球が癌化する血液における癌の一種です。病変の位置により「多中心型リンパ腫」「消化器型リンパ腫」「縦隔型リンパ腫」「皮膚リンパ腫」などに分けられていますが、犬の場合、体のリンパ節に腫れがみられる「多中心型リンパ腫」が一番多く、リンパ腫全体の 80 %以上を占めるといわれています。また、6歳以上の高齢の犬に発症が多いとされています。

(アニコム・犬との暮らし大百科より)

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悪性リンパ腫と診断されるまで

ここから先は、悪性リンパ腫と診断されるまでの経緯、そして診断後の飼い主の葛藤、実際の闘病生活、そして看取りまでのお話になります。

予兆

2015年の4月。かのん9歳の春です。

毎年恒例の、フィラリア検査とドッグドックを行いました。

血液検査の結果、甲状腺ホルモンの働きを示す「T4」の数値が、今までよりもさらに低くなっていることが分かりました。

7歳で初めて検査をしたときに数値が低めなことは指摘されていましたが、その後大きな変化もなかったため経過観察をしていた項目です。

今回は、「T4」(甲状腺ホルモン)の数値が去年の半分になっており、かなり低くなっていました。

併せて「TG」(中性脂肪)の値が大きく上がっていた為、甲状腺ホルモンに関して再度検査をすることになりました。

「TG」(中性脂肪)の値が高いことで考えられる状況・疾患のひとつに、「甲状腺機能低下症」があげられます。

すでに以前から「T4」(甲状腺ホルモン)の数値が低いことで、「甲状腺機能低下症」の疑いはありました。(※あくまで可能性の一つとして)

通常、犬の場合は「T4」の数値だけではすぐに判断せず、他の生化学検査項目で気になる点があった際に追加で「T3」「FT4」「TSH」という甲状腺ホルモンの項目の検査をするということでした。

今回は、「TG」(中性脂肪)の値が高いということもあり、念のため追加で「FT4」という項目も検査することになりました。

結果、「FT4」低めではあるものの正常範囲内であったため、診断はつかずに引き続き経過観察となりました。

症状が出ての検査ではなく”ドッグドック”ですので、もちろん、かのんはとても元気です。

  • 「T4」(甲状腺ホルモン)の数値が高い「甲状腺機能亢進症」が考えられる。
  • 「T4」(甲状腺ホルモン)の数値が低い「甲状腺機能低下症」「栄養失調」等が考えられる。
  • 「FT4」の数値は「甲状腺機能低下症」かそうでないかの鑑別に有効。
  • 「TSH」(甲状腺刺激ホルモン)の数値によって、甲状腺自体に問題があるのか、それとも甲状腺を刺激するTSHが不足しているのかなどの鑑別をすることができる。
  • 「TG」(中性脂肪)の数値が高い「高脂血症」「肝疾患」「クッシング症候群」「甲状腺機能低下症」が考えられる。
  • 「TG」(中性脂肪)の数値が低いことに、臨床的意義はなし。
病院の待合室ではいつも以上に甘えます
元気に海でも遊びます

PCV(血球容積比)の減少と脾臓の影

その後も元気に過ごしていたかのん。

毎年、秋にも定期健診があります。

2015年10月、いつも通り定期健診へ行き、血液検査を行いました。

結果は、以下の通りです。

検査結果
  • WBC(白血球数)→高い
  • PCV(血球容積比)→低い
  • 「T4」(甲状腺ホルモン)→低い
  • 「FT4」(甲状腺ホルモン)正常値
  • 「TSH」(甲状腺ホルモン)正常値

甲状腺ホルモンの「T4」はあいかわらず低いものの、「FT4」と「TSH」の数値は正常です。

「甲状腺機能低下症」にも該当せず、「TSH」(甲状腺刺激ホルモン)が少ないため「T4」が下がっているというわけでもなさそうです。

ただ今回気になった項目は、PCV(血球容積比)でした。

PCV(血球容積比)とは、全血液の成分のうち、赤血球の容積がどれくらい占めているのかを表す数値です。

PCV(血液容積比)が低い際の原因は多岐にわたります。

(参考:小笠原動物病院HP)

PCV数値が低い際に疑われる原因抜粋
  • 外傷による出血
  • 腫瘍
  • 鉄欠乏性貧血
  • 骨髄疾患
  • タマネギ中毒など

一か月後の再検査でも、PCV数値の改善が見られなかったため、超音波検査を行いました。

そこで、脾臓にあきらかながあることが分かりました。

腫瘍の可能性が高いこともあり、摘出することになりました。

その際に、全身のCT画像撮影骨髄生検も併せて行うことになりました。

何度も言うようですが、かのんはいたって元気です。

自覚症状はまだないようです。

脾臓摘出手術

2015年11月3日。

かのんは脾臓摘出手術を受けました。

摘出した脾臓は、いたるところが変色していました。

摘出した脾臓は病理診断に回され、後日詳細が分かるとのことでした。

入院期間は4日間

費用は、CT撮影・入院代も含めて約30万円でした。(そのうち保険で14万円返ってきました)

ペット保険に加入していたから、金銭的な心配よりも適切な処置を選ぶことが出来たと思います。

入院中の様子を動画を送ってくれる病院だったので、術後、元気そうなかのんを見てホッとしました。

かのん退院時には、CT画像診断の結果も出ていました。

術後のかのん
摘出した真っ黒な脾臓

CT画像診断結果

CT画像診断の結果は以下の通りです。

診断・コメント(原文)
  1. 右肺結節:右肺には二つの結節性病変が存在します。いずれもミネラル沈着を伴わない小結節であり、悪性腫瘍/悪性腫瘍転移病巣の可能性がありますが現時点で確定できるものではありません。増大傾向に対し慎重に経過をチェックしてください。
  2. 肝臓結節:悪性腫瘍がある結節性病変です。鑑別には病理組織学的検査が必要です。
  3. 脾臓不整増強像:明瞭な結節形成を伴わない不整な増強性変化です。腫瘍、出血、過形成などの可能性があり、鑑別には脾臓摘出が推奨されています。

検査の結果、悪性腫瘍の可能性が大きいということが分かりました。

(※3の脾臓に関しては、脾臓摘出前のCT画像撮影だったため、記載がありますが、既に摘出しています。)

あとは、摘出した脾臓の病理診断結果待ちとなりました。

脾臓の病理診断結果

かのんの退院から約1週間後、検査結果が出ました。

結果は、以下の通りです。

【診断名:悪性上皮性腫瘍の転移病巣】
  • 所見:脾臓ではその大部分において、びまん性(病変が比較的均等に広がっている状態)に腫瘍細胞が増殖しています。
  • コメント:悪性上皮性腫瘍の所見であり、本症例が脾臓であることから転移病巣と判断します。肝臓に病変が存在しているとのことですので、組織像を考慮しますと胆管癌の転移病巣の可能性が考えられます。腫瘍細胞の由来の特定は困難です。肝臓以外からの転移病巣の可能性も否定できません。予後は警戒を要します

要するに、悪性腫瘍であることは分かったが、原発となった臓器の特定は難しい。

そして、予後は警戒が必要だということです。

原発の腫瘍が分からない限り、腫瘍部位を摘出すれば治るという希望は絶たれました。

外科的な治療の選択肢はなくなりました。

悪性リンパ腫

余命

この時点では、「悪性リンパ腫」という診断名になっていました。

原発の癌はわからないまま、全身のリンパ節に転移していました。

余命は約3か月と言われました。

私、ぬしBはちょうど12月から有休消化の為、1か月間の休みにに入りました。

かのんの腫瘍がわかる少し前に、転職が決まっていました。

かのんが大変なこの時期に、1か月休みをとれたことは奇跡だと感じています。

頸部リンパ節腫脹

2015年12月。

今後の治療をどうしようかと悩んでいるその間にも、かのんの症状は進行していきました。

かのんの首回りが少しづつ膨れ上がっていきました。

頸部リンパ腫腫脹です。

パンパンに腫れては破裂し、少しひいてはまた腫れて破裂する、ということを繰り返しました。

最初の破裂は散歩中に起こりました。

焦って病院に連れていましたが、これも想定範囲内のようで、むしろ破裂したことで少し楽になるということでした。

確かに、破裂することで中に溜まっていた水や膿が出されて、かのんの呼吸も少し楽になりました。

ホルネル症候群

腫脹していく頸椎のリンパに圧迫され、左目の瞬膜が飛び出る「ホルネル症候群」になりました。

瞬膜が飛び出ている様子

後足蛇行

首周りのリンパの腫脹が酷くなるにつれて、歩く足取りもだんだんと重くなりました。

後足がもつれたり、ふらついたりするようになりました。

酷いときには、部屋の壁にふらふらと当たってしまいます。

食欲不振

かのんは今まで食欲がなくなったことはありません。

間違えて2回夕食を出されても、ぺろりと平らげてしまうほどです。(姉がすでにご飯をあげていたことを知らずに私もあげた、ということが何度かありました。)

さすがのかのんも、12月の半ばを過ぎたたりから、食欲が減退していきました。

それでも、お芋やお野菜を入れてあげたり、トッピングをしてあげると食べてくれました。

その時、かのんの食欲を促進してくれたものの一つに「霧島鶏」がありました。

これをトッピングすることで、かのんは沢山ご飯を食べてくれました。

介護の準備

歩くのもおぼつかなくなったかのんとの生活の為に、私たち飼い主も出来ることを準備しました。

その一つに、「歩行トレーニング」があります。

わんちゃんは、歩かなくなったら一気に気力を失ってしまいます。

そうならない為、病院から薦められたのが「バスタオルを使用した歩行補助トレーニング」でした。

バスタオルに、かのんの後足がちょうど入る箇所に穴をあけます。

その穴にかのんの後ろ脚を通し、バスタオルで釣り上げてあげることで歩行を補助してあげます。

かのんがまだ歩けるうちに慣れさせておくことで、いざ歩けなくなった際に抵抗なく補助を受け入れてくれるとのことでした。

トレーナーさんのアドバイスを受けながら、一緒にトレーニングをしました。

かのんは、病気が分かる前から病院内の「しつけトレーニング」に通っていました。

回数券でまとめ買いをしていたため、その残りのトレーニング回数で「歩行補助」のトレーニングをしてもらいました。

そして、賢いかのんは1~2回のトレーニングで「歩行補助」もマスターしました。

残ったトレーニング回数では、かのんが楽しいことをして元気になってもらおうとなりました。

かのんは、芸を覚えることが得意だったので、こんな時にと思うかもしれませんが、また新しい芸を覚えることにしました。

教えたのは、「ペットボトルを手で倒す」という芸です。

これも、1回のトレーニングで習得してトレーナーさんを驚かせました。

「かのん、パターンっして」というと、床に立てたペットボトルを前足で勢いよく「パタン!」と倒してくれます。

褒めると喜んで、何度も何度もやってくれました。

かのんは、家でもこの芸を喜んでやってくれました。

これが、かのんの覚えた最後の芸となりました。

クリスマス雰囲気の病院でトレーニング

治療方針について

余命3か月。

悪性リンパ腫で全身に転移。

今後の治療をどうするかということで、家族で話し合いました。

選択肢は大きく分けて2つです。

放射線治療抗がん剤治療に通い、寛解する可能性にかける

②積極的な治療は行わなず、苦しい時だけは薬に頼って普段通りの生活をする

①は、放射線治療が可能な少し遠くの病院まで通う必要がありました。

今のかのんに、その体力があるだろうか。

可能性にかけたい、奇跡を起こしたいという思いも捨てきれませんでしたが、私たちは悩んだ結果、②を選びました。

かのんは病院が嫌いです。もちろん、注射も入院も大嫌いです。

薬だって、全く飲んでくれません。

薬を飲ませるときは、飼い主と毎回血みどろ(?)の闘いになるほどです。

治療方針の選択に、正解はないと思います。

私たちは、かのんとの普段通りの暮らしを選びました。

かのんを可愛がってくれた人たちにも連絡し、遠くから駆けつけてくれた人もいました。

久しぶりに会えて、かのんはとても嬉しそうでした。

看取り

2016年1月。

1月からは、私も新しい職場での仕事が始まってしまいました。

そのため、仕事で家を空ける際は、姉に家にいてもらいました。

ぬしB姉は結婚して隣の区に住んでいましたが、毎日通ってかのんの様子を見に来てくれました。

2016年1月20日夕方。

この日は、珍しく大雪が降り、いつも車で来てくれていた姉が来れませんでした。

私とぬしAは、合流して一緒に家に帰りました。

帰宅すると、かのんは息をしていませんでした。

しかし、まだぬくもりが残っており、すぐに病院へ連絡して連れていきました。

病院の駐車場では、スタッフの方がスタンバイしてくれており、かのんを抱き上げてすぐに治療室へ連れていき蘇生の為の心臓マッサージを開始してくれました。

しかし、かのんは戻っきてはくれませんでした。

その日、かのんと一緒に家にいれなかったことを全員が悔やみました。

そんな私たちに、病院の先生がかけてくれた言葉が今でも忘れられません。

「かのんちゃんは優しいから、誰かが側にいると苦しくても頑張ってしまう。だから、誰もいない時にやっと気を抜くことができたと思います。」

かのんは、楽になれただろうか。それならば良いのだけれど。

担当医の先生も、この日はお休みで夜だったのにも関わらず、すぐに駆け付けてくれました。

最後まで諦めずに蘇生措置をして下さった先生、駐車場まで駆け付けて一緒に泣いてくださったスタッフの方々、何よりずっとかのんの担当医として最後の最後まで手を尽くしてくださった先生とトレーナーさんたち。

かのんと私たちは、とても素晴しい方々に囲まれていたと思います。

まとめ

わんちゃんを飼っていると、必ず別れの時が訪れます。

そんな時、思い出したいフレーズがあります。

10. 最後のその時まで一緒に側にいて欲しいのです。

  このようなことは言わないで下さい、「もう見てはいられない。」、「居たたまれない。」などと。

  あなたが側にいてくれるから最後の日も安らかに逝けるのですから。

  忘れないで下さい、私は生涯あなたを一番愛しているのです。

犬の十戒より引用

わんちゃんは、生涯私たち飼い主を愛してくれています。

最期の日に、安らかに逝けるように。

その日が来ることを分かっている私たち飼い主が出来ることには、何があるのでしょうか。

人それぞれ持っている答えは違うと思います。そして、正解もないと思います。

今、私たちは4頭のわんずたちと暮らしています。

笑顔で「ありがとう」と見送ることが出来るように、今を精いっぱい暮らしていくことが私たちに出来ることかな、と思います。

最後に

7歳というシニア犬のかのんと、新しく家族になってくれたぬしA。

決して楽ではない介護も、当然のようにしてくれました。

かのんの第2の家族になってくれてありがとう。

そんな感謝の気持ちをこの場を借りて伝えたいと思います。

そして、わたしたちの二人の多種多頭のわんわんライフはまだまだ続きます。

大変さは足し算、楽しさは掛け算以上。

皆さまにとって、素敵なわんわんライフになることを願って。

大好きなぬしB父の眠るお墓にて。向こうで会えたかな。

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