ブリーダーからお迎えしよう!

犬たちとの日常
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わんこをお迎えする際に、どこから迎え入れるか色々考えますよね。

一般社団法人日本ペットフード協会の2021年度調査によると、犬の入手先で一番多かったのはペットショップとのことです。

犬の入手先
  1. ペットショップ           50.9%
  2. ブリーダー(業者、知人)   24%
  3. もらった                13.2%
  4. 里親やシェルター          7.9%

ぬしAは、現在の4わんずを含めると今までで10頭のわんずと暮らしてきました。

そのお迎え先も様々で、ブリーダーさんや捨て犬(時代ですね)、友人宅のわんこの子どもを譲り受けたりしていました。

現在の4わんずのうち凛以外は、初めてペットショップからお迎えしました。

犬猫の生体販売をする国は、世界的に少ない現在、ペットショップから購入するのは控えたほうが良いとの思いもあります。

一方で、ペットショップにいる子をお迎えしないと、その子の運命はどうなってしまうのか考えてしまったり、運命の出会いをする方もいらっしゃいます。

境遇は違えど、全てのわんこは、幸せになる権利があります。

どこから迎え入れても、飼い主の変わらない愛情がそれぞれのご家庭であると思います。

今回、記事として形にする目的は、「自分たちのわんこにとって」という視点だけではありません。

「この先の犬社会・犬文化」「種の継承」など、未来の人間やわんこのために、ブリーダーさんから迎え入れよう!と私が思い至った理由についてまとめてみました。

働きながらの多頭飼いをするかたは特に、ブリーダーさんからお迎えされる検討材料になれば幸いです。

この記事はこんな人向け
  • これから多頭飼いを考えている
  • ブリーダーのことを知りたい
  • ブリーダーからお迎えするメリットとデメリットを知りたい
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ブリーダーについて調べたこと

ブリーダーになるには

実は、特に必要な資格や条件はありません。

ただし、仕事として生体販売をするにあたり、各自治体に「第一種動物取扱業」の登録を申請する必要があります。

この登録にあたり、動物取扱責任者を一人設置することが条件となります。

動物取扱責任者とは、次の資格もしくは経験を持つ方です。

  • 獣医師
  • 愛玩動物看護師
  • 半年以上の実務経験+教育機関で1年以上の学習
  • 半年以上の実務経験+試験による知識・技術の証明

実務経験とは、生体販売の経験ですので、ペットショップやブリーダーさんのところで働いた経験などになります。

愛玩動物看護師は、2022年5月に愛玩動物看護師法が施行され国家資格となりました。

法施行5年間は経過措置が取られますが、それでも累積5年以上の実務経験に加え30時間の講習会プラス予備試験の受験が必要です。

2023年に第一回の国家試験が予定されており、受験資格は愛玩動物看護師養成所などの専門学校で3年以上学習をしなければいけません。

獣医師や愛玩動物看護師は国家資格で取得も難しそうですが、実務経験者であれば半年と学習で動物取扱責任者になれるのは、専門知識でかなり差がありそうですね。

シリアスブリーダーとパピーミル

環境省の統計では、2021年4月1日時点で「第一種動物取扱業」の登録業者は48395事業所、そのうち犬猫のブリーダーは13046事業所あります。

ブリーダーの数は8年前から統計を取り始めたようですが、年々増加傾向にあります。

数あるブリーダーの中で、「シリアスブリーダー」と「パピーミル」と呼ばれるものがあることをご存知でしょうか。

シリアスブリーダーとは

動物の交配や繁殖を真剣に行っているブリーダーさんを言います。
遺伝子学や、犬種の研究、血統の改善などに真剣に取り組み、できる限り良い犬種の維持に日々努力されている方です。

例えば、チワワという犬種はもともと攻撃的な性質を持っていたそうです。

それを人間と共存しやすいように温厚な性格の血統を掛け合わせることによって、家庭犬として多くの方に迎え入れられるようになったのです。

このように、犬種として安定させるまでには、何世代もの交配や改良が必要となります。

そこに至るまでのブリーダーさんの努力の結晶があることを私たちは知っておきたいと思いました。

シリアスブリーダーとは、ただ規定を守って繁殖させるだけではなく、その犬種の維持や向上を目指し、飼い主の想像を超える陰ながらの努力をされているブリーダーさんです。

一方で、飼育崩壊や繁殖崩壊で、狭い場所におびただしい数のわんこが飼育されており、行政処分が入った、などニュースになっていますよね。

このような繁殖業者を「パピーミル」と言います。

パピーミルとは

日本語で「仔犬工場」とも呼ばれている繁殖をする、いわゆる悪質ブリーダーです。

このようなブリーダーは、利益目的が全てですので、違法な繁殖をしたり、遺伝子疾患や母体の保護などの配慮はありません。

そのため、身体が弱かったり、先天性の疾患を持っていたりする子も多くなります。

りん
りん

環境省によると、動物愛護法に基づき立ち入った業者は年間2万件(2012〜2019年度)だって!

ブリーダーになるために厳格な条件がない現在は、ブリーダーさんそれぞれの考え方や姿勢によって大きな差があることを、飼い主として理解しておくことは重要だと思いました。

世界と日本の出産規制の違い

動物愛護管理法が改正され、動物の繁殖に関しても一段階厳しい基準が設けられることになり、ブリーダーの廃業の危機にさらされているというニュースもよく耳にします。

ではそもそも、日本以外の国はどのような規制があるのでしょうか。

出産に関して、他国の規制と比較してみました。

「諸外国における犬のブリーダー規制状況」礒村れん,杉浦勝明(東京大学大学院農学生命科学研究科)、「適正な飼養管理の基準の具体化について 」 環境省 より整理

また、法規制までではないですが、各国のケネルクラブの自主規制では下記のように定められています。

「諸外国における犬のブリーダー規制状況」礒村れん,杉浦勝明(東京大学大学院農学生命科学研究科) より整理

日本も世界の基準に近づいていますが、出産の開始年齢が定められていないことや、出産の間隔などにまでは触れていないことがありますね。

ブリーダーさんが立ち行かないほどの厳しい規制は賛成しませんが、生き物の命を扱うことにおいては、コントロールする人間に対する法規制は大切だと思います。

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ブリーダーから迎え入れるほうが良い?

お迎えの経路

ブリーダー以外のお迎えの経路として考えられるのは下記の方法です。

  • ペットショップ
  • 知人から譲り受ける
  • 里親やシェルター

ペットショップまでの経路は、ブリーダーさんが生まれた仔犬を競り会場に出品(この表現は使いたくないですが)し、ペットショップや仲介業者が競り落とした仔犬が店頭に並びます。

ペットショップは、仕入れ価格から販売価格を差し引いた金額が利益となるため、できる限り安く仕入れたいという心理が働きます。

また、競り会場に出品したり、競り落としてから店頭へ輸送したりするため、仔犬への負担がかかります。

競り会場もペットショップも多くのわんこがいますので、精神的に疲れる子も少なくないと想像できます。

また、最近はペットショップでも展示時間に制限が設けられ、昼休憩の時間はわんこが休憩できるようにしてありますが、それでもずっと明るく人目にさらされる場所で何日もいるのは忍びないですよね。

ペットショップのわんこたちは、色々な部分で制限やストレスがかかる機会も多いのではと思います。

知人から譲り受けるのは、なかなかレアケースではないでしょうか。

一般家庭で繁殖をすることは近年はあまり見かけなくなりましたね。

里親やシェルターから迎え入れることも、働いている人はハードルが高いことが多いです。

心に傷を負ったわんこたちが多いので、迎え入れる人間側が万全の体制でいることを求められるからです。

以上を考えると、ペットショップからお迎えすることが一番現実的なのでは?と思えてきます。

私も以前はそう考えていました。

里親やシェルターからわんこをお迎えしたかったのですが、私の調べた限りでは、フルタイムで働いている人はどう頑張っても里親にはなれない条件ばかりでした。

次の章では、なぜブリーダーでお迎えすることが良いのかについて詳しくお話します。

ブリーダーの意義

ブリーダーさんについて色々知っていく中で、私が学んだことは、ブリーダーとは「犬種の維持改善のために真摯に取り組んでいるプロ」であるということです。

現在はSNS等で情報発信が自由にできる時代です。

そのようなツールをうまく使い、様々なブリーダーさんがご自身の思いや犬舎の様子などを発信されています。

もちろん、発信内容を鵜呑みするのは危険ですが、日々更新されている情報には、一貫性のある方がいます。

そのようなブリーダーさんは、シリアスブリーダーなのではないかと思います。

血統が近くなることを避けるために、定期的に海外の優良ブリーダーから犬を輸入したり、逆に自身の犬を海外のブリーダーへ輸出したりもしています。

また、血統の品質を評価してもらうためにドックショーなどに参加し、自己研磨を怠らないブリーダーさんもいらっしゃいます。

あるブリーダーさんは、遺伝子学を学び、専門とされる犬種の研究を交配に生かしています。

「繁殖犬として迎え入れたが、遺伝子の影響として不確かな点があるため、一般の愛玩犬として可愛がってもらえる方へ販売します。」など販売に至る経緯を誠実に公開されているブリーダーさんもいらっしゃいます。

このようなブリーダーさんの存在があるからこそ、人間と共存できるわんこたちとの生活があるのだと思います。

先天性の疾患をできる限り避け、犬種の特徴を維持し、問題行動や性格のマイナス面が生まれないような交配を心がける。

それは、一筋縄ではいかない途方もない歴史の上で成り立っているものだと分かりました。

そのようなブリーダーさんが継続的なブリーディングができるように応援したいと強く思いました。

働きながらの多頭飼いのベストチョイスはブリーダー

  1. トイレトレーニングが済ませてある
  2. 先住犬との協調性を持っている
  3. 身体も性格も健康である
  4. 計画的にお迎えできる

動物愛護管理法が改正され、わんこのお迎えは生後8週を過ぎてからになりました。

わんこの社会化は、この時期が大切だと言われています。

シリアスブリーダーさんは、もちろん、わんこたちの社会化についても対応されています。

家庭犬として迎え入れられることを考慮して、引き渡しまでにトイレトレーニングが済ませてあることも多いです。

また、ブリーダーさんの考えによると思いますが、感染症対策などをしっかりしながら、できる限り多くの人に慣れさせて人懐こい性格にするようにされている犬舎もあります。

このように、生後8週までの教育や社会化は、ブリーダーさん次第となります。

働きながらわんこをお迎えするにあたり、トイレトレーニングができていたら、それだけでも雲泥の差です。

また、社会化においても多頭飼いだからといって家族以外のわんこや人も慣れるかというとそうではありません。

その点、幼少期の性格を構成する大切な時期に、色々な経験をさせてもらえるブリーダーさんであれば落ち着いたわんこに出会える可能性が高いです。

そのような性格の持ち主であれば、先住犬との関係構築で、新参犬が原因で問題になるリスクが減らせます。

健康体であることは、私たちの生活にも大きく影響してきます。

病弱であったり、先天性の病気や疾患を持っていると、通院や介護にも時間を要します。

飼い主がフルタイムで働くことが不可能になる場合も出てきます。

このようなことからも、安心できるブリーダーさんからお迎えすることをオススメします。

そして何より、計画的にお迎えできることがベストですよね。

先住犬との相性やお迎えのタイミング、お世話のスケジュールをシュミレーションしたり、準備ができます。

ブリーダーさんによっては、お迎えが数年後になることもあります。

でも、新しい命を迎え入れるということは、時間をかけて準備することが大切ですよね。

また、お迎えした後でも分からないことや不安なことを聞くこともできます。

その犬種のプロならではのアドバイスは何よりも心強いですよね。

以上の理由から、働きながらの多頭飼いにとってのベストチョイスは、ブリーダーさんからお迎えすることだと思います。

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まとめ

以前よりもブリーダーさんの情報は収集しやすくなりました。

とはいえ、どう探したら良いのか分からない方も多いですよね。

ブリーダーさんは専門とされる犬種がありますので、どのようなわんこをお迎えしたいのかでブリーダーさんも変わってくると思います。

私が今回調べた中で、シリアスブリーダーさんを自らの足で開拓し、紹介しているサイトと店舗を見つけましたので、ここにご紹介しておきます。

日本ブリーダーガイド

横浜市のWeb会社が運営するシリアスブリーダー専門サイト。
2003年から全国の犬舎やドックショー会場を回り、シリアスブリーダーを探しサイトを開設。
仲介手数料などは取らず、良いブリーダーとの出会いの場を提供している。

パスレルワン

大阪市と神戸市に店舗を構える会社。
全国の犬舎に足を運び、シリアスブリーダーかどうかを自身の目で確かめている仲介会社。

また、ブリーダーさんは郊外が多いため、お住まいの地域からかなり遠く離れた犬舎の場合も多いです。

法改正もあり、ブリーダーさんから迎え入れる場合は、必ず犬舎に訪問することが義務付けられています。

実際の飼育環境や、親犬の様子、ブリーダーさんの人柄などを理解するには訪問は必要ですよね。

ブリーダーさんが遠いというのは、ある意味デメリットかと思います。

足を運ぶためには時間を要しますし、お迎えする際にも長距離はわんこにそれなりの負担がかかります。

だからこそ、お迎えは計画的に。

そして、考えや姿勢に共感できるブリーダーさんと出会えた時、生涯のパートナーとの出会いもあるのではないでしょうか。

私も、もし今後お迎えすることがあるとすれば、迷わずブリーダーさんにお世話になろうと思っています。

大変さは足し算、楽しさは掛け算以上。

皆さまにとって、素敵なわんわんライフになることを願って。

参考文献・サイト

ペット入手時の情報源・入手先  令和3年(2021年)全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人ペットフード協会)

「諸外国における犬のブリーダー規制状況」  礒村れん,杉浦勝明(東京大学大学院農学生命科学研究科)

「適正な飼養管理の基準の具体化について 」 環境省

「適正な飼養管理の基準の具体化に係る論点について 」 環境省

「動物取扱業者の登録・届出状況(総括表)」  環境省

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